ワールド・ダイヤモンド・カウンシル

ワールド・ダイヤモンド・カウンシルとは

ワールド・ダイヤモンド・カウンシル（WDC）は、紛争ダイヤモンドの取引を防止し、その利用を抑制することを目的とした国際的な組織です。この団体は、デビアス社をはじめとするダイヤモンドの生産者や国際連合、ダイヤモンド生産国の政府、さまざまな非政府組織（NPO）によって設立されました。

背景

過去数十年間、特にアフリカにおいてはいくつかの国が内戦や武装闘争の影響を受けていました。これらの武装勢力は、冷戦時代の東西の対立構造を利用し、アメリカやソビエト連邦からの資金支援を受けながら存続してきました。しかし、1980年代後半にはその対立が緩和され、内乱を抱える国々は新たな資金源を必要としていました。この結果として、武装勢力はダイヤモンド鉱山を武力で占拠し、地域の住民を酷使してダイヤモンドを生産するという手法を選ぶようになったのです。

これにより生まれたダイヤモンドは「血塗られたダイヤモンド」あるいは「ブラッド・ダイヤモンド」と呼ばれ、国際的な非難の的となりました。この状況に対して、2000年7月に世界ダイヤモンド取引所連盟（WFDB）と国際ダイヤモンド製造協会（IDMA）の協力により、ワールド・ダイヤモンド・カウンシルが設立されることとなりました。

主な取り組み

ワールド・ダイヤモンド・カウンシルは、設立以来、国際的な取り組みを強化してきました。特に2003年からは、「キンバリー・プロセス」というダイヤモンドの出所を証明する制度を導入しました。この制度は、ダイヤモンドを輸出する国を査察し、紛争地で生産されたダイヤモンドの流入を防ぐことを目的としています。

キンバリー・プロセスにより、出所が不確かな原石を取り扱う国を特定し、それに対する措置を講じることで、紛争ダイヤモンドの市場流入を抑制しています。制度の施行以降、紛争地域から流通するダイヤモンドの割合は1%未満にまで低下したと報告されています。

脚光を浴びた映画

この問題は、映画『ブラッド・ダイヤモンド』を通じて広く知られるようになりました。この映画は、紛争ダイヤモンドの背後にある実情や、それにより被害を受ける人々の姿を描いています。映画を通じて、一般の人々の意識が高まり、紛争ダイヤモンドに対する批判も強まったと考えられます。

まとめ

ワールド・ダイヤモンド・カウンシルは、紛争ダイヤモンドの問題に取り組むための重要な役割を果たしている組織です。ダイヤモンドの取引が倫理的に行われるよう、今後も国際的な取り組みが続けられることが期待されます。これにより、アフリカの人々や他の影響を受ける地域に対しても、より公正で持続可能な環境が実現されることを願っています。

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