ワーヴル

ワーヴル：ベルギーの州都、歴史と賑わい、そして幸せの伝説

ベルギー、ブラバン・ワロン州の州都ワーヴルは、ディル川沿いに位置する歴史豊かな都市です。フランス語を話す住民が多く、古くからの街並みが魅力です。近郊にはリマルとビエルジュという旧コミューンも含まれています。

ワーヴルは、市庁舎の壁をよじ登る少年の像が有名で、「マカのまち」という愛称でも親しまれています。この像の尻に触ると幸せになれるという伝説があり、観光客にも人気です。

歴史：ローマ時代から現代まで

ワーヴルの歴史は古く、ローマ時代の荘園の基礎が近郊で見つかっています。ガリアの辺境地として始まり、3世紀から4世紀にかけてゲルマン人の侵略を受けました。1050年にはルーヴェンの保護領として記録に現れ、13世紀までにブリュッセル-ナミュール街道とニヴェル-ルーヴェン街道の交差点に町が形成されました。

1222年にはブラバント公アンリ1世から勅許を受け、小修道院は巡礼者を集めるようになりました。しかし、中世後期から18世紀初頭にかけては、戦争や略奪、伝染病、大火など多くの災難に見舞われました。ザクセン公アルブレヒト3世による略奪、ゲルデルン公カール2世やルイ14世の戦争による破壊などがその例です。1794年にはフランス領となり、徴兵や信教の自由の規制など新たな困難に直面しました。

1815年のワーテルローの戦いでは、ワーヴル近郊でプロイセン軍とナポレオン軍の戦闘（ワーヴルの戦い）が起こりました。19世紀には鋳造、製紙、製糖などの工業が発達しましたが、20世紀の世界大戦では激しい空襲や空爆を受け、甚大な被害を受けました。1995年にはブラバン・ワロン州の州都となりました。

見どころ：ゴシック様式からアミューズメントパークまで

ワーヴルには、歴史的な建造物や近代的な施設など、様々な見どころがあります。

聖ヨハネ教会： 1475年完成のゴシック様式の教会。50鐘のカリヨンが特徴です。
市庁舎： 18世紀に建てられたカルメル会の教会を改築した建物。中庭を見下ろす独特な造りです。
ワリビ・アミューズメント・パーク： ワーヴル、リマル、ビエルジュの頭文字をとった名前を持つ、国内最大級のアミューズメントパークです。年間100万人以上の来場者があり、フランスやオランダにも同様の施設があります。

文化：中世劇と宗教行列

ワーヴルでは、独特の文化イベントが開催されています。

ジュ・ド・ジャン・エ・アリス： 5年に一度開催される中世劇。領主と市民の問答劇で、1222年の勅許を記念して始まりました。約500人が参加する大規模なイベントです。
* グラン・トゥール： 洗礼者ヨハネの祝祭日（6月24日）の翌日に開催される、200年以上の歴史を持つ宗教行列です。

その他：メディアと出身有名人

ワーヴルには、ベルギー放送協会の送信所が設置されています。中波用アンテナは国内で3番目に高い建築物です。

ワーヴル出身の有名人には、詩人のモーリス・キャレムや歌手のスール・スーリールなどがいます。

歴史と文化、そして現代的な賑わいが調和するワーヴルは、ベルギー観光の新たな発見となるでしょう。

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