ヴァイッド・ハリルホジッチ

ヴァイッド・ハリルホジッチは、1952年 5月15日にボスニア・ヘルツェゴビナで生まれた元サッカー選手及び指導者です。彼は現在、ユーゴスラビア代表としての出身を持つだけでなく、ボスニア・ヘルツェゴビナとフランスの二重国籍を有しています。選手としては主にフォワードのポジションで、1976年の欧州選手権や1982年のワールドカップに出場し、ディヴィジオン・アン（現リーグ・アン）で2度の得点王となるなど、輝かしい実績を誇ります。

生い立ち

ハリルホジッチは6人兄弟の中の第4子として生まれ、名は「親友（ハリル）」と「指導者の子孫（ホジッチ）」に由来しています。彼の少年時代は、近所のサッカースタジアムでのプレイが印象深いもので、14歳の時にモスタルに移り、元々のエンジニアを目指していましたが、兄の影響で地元のサッカークラブに加入します。フォワードとしての才能を見出され、18歳でFKヴェレジュ・モスタルに入団します。

選手としてのキャリア

ハリルホジッチはFKヴェレジュ・モスタル、FCナント、パリ・サンジェルマンFCといったクラブでプレーし、特にナント時代には得点王に輝く功績を残します。彼は旧ユーゴスラビア代表としても活躍し、1試合平均0.53ゴールという成績を残しました。1978年のUEFA U-21欧州選手権では、決勝で4ゴールを決め、チームを優勝に導きました。

指導者としての道

選手引退後、ハリルホジッチは指導者としてのキャリアを築きます。始めは母国のクラブチームで監督を務め、1997年からはモロッコのラジャ・カサブランカで成功を収めることになります。彼の指導スタイルは厳しく、攻撃的なサッカーを志向し、結果を出すことで知られています。

次にフランスのLOSCリール・メトロポールやレンヌ、またパリ・サンジェルマンの監督としても活躍しましたが、指導方法やクラブとの摩擦から解任されることも少なくありませんでした。

2008年からはコートジボワール代表監督に就任し、2014年ブラジルワールドカップへチームを導き、続いてアルジェリア代表でも監督を務め、チームをワールドカップベスト16進出に導くなどしました。日本代表監督として2015年に就任し、2018年のワールドカップ出場を果たしましたが、その後解任される事態に至ります。解任理由は選手との信頼関係が薄れたこととされています。

日本代表監督としてのトンネル

日本代表では、ハリルホジッチは徹底した戦術の適用を求めましたが、選手とのコミュニケーション不足が浮き彫りになる事態も見られました。特に選手たちからの意見に耳を傾けることなく、満足のいく結果が出せなかったことが指摘されました。アジア予選を1位で通過したものの、コミュニケーションが不足していたことが大きな問題として取り沙汰され、最終的に解任される結果になってしまいました。

日本代表解任後の再起

ハリルホジッチが解任された後、アルジェリア代表監督への復帰を模索しましたが結局契約には至らず、FCナントの監督に就任しました。さらにはモロッコ代表監督としても務め、結局彼は4カ国の代表チームを指導した経験を持つこととなります。

指導スタイルと評価

ハリルホジッチの指導スタイルは、堅守速攻を基本としており、選手一人一人に高い要求をし、厳しいルールを課します。結果を重視し、自身の意見を貫く姿勢から、指導者としての評価は分かれることが多いですが、彼の戦術が成功を収めていることは事実です。多くのクラブや代表チームにおいて迅速な結果を求める彼のスタイルは、選手たちとの関係を複雑にすることもありましたが、同時に成功をもたらす重要な要素でもありました。

結論

ハリルホジッチのキャリアは、選手としての実績と指導者としての成功が相まって、サッカー界で高く評価されています。彼の厳しい指導スタイルと結果への強いこだわりが、時に選手との摩擦を生むこともありましたが、サッカー界における重要な人物としてその名を刻んでいることは間違いありません。

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