ヴァレリー・スティール

ヴァレリー・ファーネストック・スティールのプロフィール

ヴァレリー・ファーネストック・スティール（Valerie Fahnestock Steele、1955年 - ）は、アメリカ合衆国の著名なファッション史研究者であり、キュレーターとして知られています。彼女はニューヨーク州立ファッション工科大学（FIT）の博物館の館長を務めており、2003年にその職に任命されました。スティールの研究と展覧会は、ファッションの歴史や文化に深い洞察を与えており、彼女の業績は広く評価されています。

経歴と業績

スティールはイェール大学で博士号を取得し、その後ファッションの研究やキュレーションに取り組んできました。ニューヨーク州立ファッション工科大学博物館では、主任キュレーターとして20以上の展覧会を企画・監修しており、その中には「ゴシック：ダーク・グラマー」や「愛と戦争：武器化された女性」などのテーマがあります。また、彼女はコルセットやロンドン・ファッション、世紀末パリのファッションについての展覧会も手がけています。

スティールの学術誌『Fashion Theory: The Journal of Dress, Body & Culture』は、彼女の影響力を示す一例で、1997年に自ら創刊し、編集長を務めています。これに加え、彼女は多くの著作も発表しています。中でも『Gothic: Dark Glamour』や『The Corset: A Cultural History』、『Paris Fashion』など、ファッションに関する重要なテーマを扱った著作が知られています。他にも、3巻からなる『Encyclopedia of Clothing and Fashion』の編集長も務めています。最近では、パトリシア・ミアーズとの共著による『Isabel Toledo: Fashion from the Inside Out』が注目を集めています。

日本ファッションの紹介

2011年には、「日本ファッションの今」と題された著作と展覧会を発表しました。この展覧会では、三宅一生、川久保玲、山本耀司といった著名なデザイナーや、彼らに影響を受けた新しい世代のデザイナー、さらには原宿のKawaii文化など、幅広い視点から日本のファッションを紹介しています。また、スティール自身も東京の表参道を愛する場所のひとつと語っており、彼女の日本への関心が伺えます。

メディア出演と評価

スティールは、さまざまな機会に講演を行っており、『オプラ・ウィンフリー・ショー』や『Undressed: The Story of Fashion』などのテレビ番組に多数出演しています。公共放送サービス（PBS）の特別番組『The Way We Wear』では、彼女が「ファッション界で最高の頭脳をもつ女性たち」として取り上げられ、その知識と見識が評価されています。『フォーブス』誌は「ファッション教授」と呼び、『ニューヨーク・タイムズ』紙は「ハイヒールを履いた歴史家」と形容し、さらに『ニューヨーク・デイリーニューズ』では「ファッション界で最も力をもつ50人」の一人に選出しています。

主な著作リスト

• - Gothic: Dark Glamour - Yale University Press, 2008
• - Encyclopedia of Clothing and Fashion (editor in chief) - Charles Scribner's Sons, 2005
• - Fashion, Italian Style - Yale University Press, 2003
• - The Fan: Fashion and Femininity Unfolded - Rizzoli International Publications, 2002
• - The Corset: A Cultural History - Yale University Press, 2001
• - Fifty Years of Fashion: New Look to Now - Yale University Press, 1997

スティールの研究や著作は、ファッションに関心を持つ人々にとって重要なリソースであり、彼女の洞察は業界に新しい視点を提供してくれます。彼女の活動は今後もファッション史という分野において深い影響を与え続けることでしょう。

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