ヴィア・ノヴァ四重奏団

ヴィア・ノヴァ四重奏団（フランス語: Quatuor Via Nova）は、フランスを代表する弦楽四重奏団の一つとして知られています。特に1970年代には、フランスにおける室内楽演奏の隆盛に大きく貢献しました。

楽団の創設は1968年4月、サヴォワ地方のラ・プラーニュで開催された音楽祭がきっかけとなりました。ヴァイオリニストであり、高名なジョゼフ・カルヴェに師事したジャン・ムイエールが中心となり、パリ音楽院の卒業生たちによって結成されました。興味深いことに、楽団名の「ヴィア・ノヴァ」はイタリア語で「新しい道」を意味し、これは音楽祭の期間中にムイエールが提唱した芸術運動の名前から取られたものです。

結成初期の1970年代初めには、ジャン・ムイエールを除くメンバーの交代がありましたが、その後もパリで精力的に活動する奏者たちを迎え入れ、楽団の活動は途切れることなく続けられました。特筆すべきは、ジャン・ムイエールをはじめとする歴代のメンバーの多くが、演奏活動と並行してパリ音楽院などの教育機関で後進の指導にあたったことです。彼らの存在は、フランス国内における室内楽演奏の基盤を広げ、次世代の音楽家育成に多大な貢献をしました。

彼らのレパートリーは非常に幅広く、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルといったフランスの著名な作曲家たちの作品を中心としながらも、同時代の作曲家による新作や、演奏される機会が少ない過去のフランス系作品の発掘・紹介にも積極的に取り組みました。また、ドイツやオーストリアの古典・ロマン派作品についても、フランスの弦楽四重奏団という独自の視点から、新鮮なアプローチで演奏を行い、評価を得ています。

ヴィア・ノヴァ四重奏団は、結成初期から録音活動にも力を入れました。ピアニストのジャン・ユボーらを迎えて制作したフォーレの室内楽全集は、ACCディスク大賞を受賞するなど、高い評価を受けました。さらに、エルデーディの弦楽四重奏曲の録音は、共和国大統領賞に輝くなど、その演奏水準の高さと功績が認められています。

以下に、歴代の主要なメンバーを記します。

歴代メンバー

• - 第1ヴァイオリン：ジャン・ムイエール（Jean Mouillère）
• - 第2ヴァイオリン：エルヴェ・ル・フロック（Hervé Le Floch）、アラン・モリア（Alain Moglia）、ジャン＝ピエール・サブレ（Jean-Pierre Sabouret）
• - ヴィオラ：ジェラール・コセ（Gérard Caussé）、クロード・ナヴォー（Claude Naveau）、リヴィユ・スタネーズ（Liviu Stanèse）
• - チェロ：ルネ・ベネデッティ（René Bénédetti）、ロラン・ピドゥー（Roland Pidoux）、ジャン＝マリー・ガマール（Jean-Marie Gamard）

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