ヴィジェフ・ウッチ

RTSヴィジェフ・ウッチ：ポーランドの古豪サッカークラブ

RTSヴィジェフ・ウッチ（RTS Widzew Łódź）は、ポーランド中央部の都市ウッチを本拠地とする、長い歴史と伝統を持つサッカークラブです。ポーランド語での正式名称はRTS Widzew Łódź、発音は[ˈɛr ˈtɛ ˈɛs ˈvʲidzɛf ˈwut͡ɕ]です。

クラブの歴史

クラブは1910年11月5日に、TMRFヴィジェフ（Towarzystwo Miłośników Rozwoju Fizycznego w Widzewie）という名称で、サッカー愛好家が集まり創設されました。しかし、第一次世界大戦の影響で活動を一時中断せざるを得ませんでした。

1922年1月24日、クラブはRTSヴィジェフ（Robotniczego Towarzystwa Sportowego Widzew）として再編されました。この際、主に労働者階級の若者を対象とした陸上競技とサッカー部門を有するクラブとして新たなスタートを切りました。しかし、1939年に勃発した第二次世界大戦により、再び活動を中断することになります。

戦後の1945年3月25日、クラブは活動を再開し、現在に至ります。

黄金時代と国際舞台での活躍

1980年代初頭、ズビグニェフ・ボニエクなどのスター選手を擁したヴィジェフ・ウッチは、ポーランドリーグで圧倒的な強さを見せました。1981年、1982年、1996年、1997年と、計4回のリーグ優勝を飾っています。また、1985年にはポーランド・カップも制覇しました。

欧州サッカー連盟（UEFA）主催の国際大会にも積極的に参加し、66試合に出場、23勝12分31敗という記録を残しています。特に、UEFAチャンピオンズカップ1982-83では、1回戦でマルタのヒバーニアンズFC、2回戦でオーストリアのSKラピード・ウィーン、準々決勝でイングランドのリヴァプールFCを破り、準決勝に進出する快挙を成し遂げました。準決勝では、前シーズンまでクラブに在籍していたボニエクが所属するイタリアのユヴェントスFCに惜しくも敗れましたが、その活躍はヨーロッパ中に衝撃を与えました。

近年の状況

2000年代に入ると、クラブは財政的な問題に直面し、2003-04シーズンには2部リーグへ降格するなど、成績は低迷しました。しかし、近年は再建が進み、再び1部リーグへの復帰を果たしています。

タイトル

国内タイトル

エクストラクラサ（1部リーグ）: 4回 (1980-81, 1981-82, 1995-96, 1996-97)
Iリガ（2部リーグ）: 3回 (2005-06, 2008-09, 2009-10)
ポーランド・カップ: 1回 (1985)
ポーランド・スーパーカップ: 1回 (1996)

国際タイトル

* なし

クラブの象徴

ヴィジェフ・ウッチは、ポーランドのサッカーファンにとって特別な存在です。労働者階級に支えられたクラブとしての歴史、そして1980年代の輝かしい成功は、多くの人々の記憶に深く刻まれています。近年は苦しい時期もありましたが、クラブは再び立ち上がり、かつての栄光を取り戻そうとしています。

日本人選手

過去には木村光佑、小川雄大、加藤恒平といった日本人選手も在籍していました。

ヴィジェフ・ウッチは、これからもポーランドサッカー界において重要な役割を果たし続けるでしょう。

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