ヴィスビュー

ヴィスビューは、スウェーデン南東部、ゴットランド島の北西に位置する都市であり、ゴットランド県とゴットランド市の中心地です。その美しい景観から「薔薇の都」とも呼ばれ、多くの観光客を魅了しています。

歴史

10世紀に建設されたヴィスビューは、ヴァイキングの根拠地として発展した後、バルト海交易の拠点として重要な役割を担いました。1200年頃には、ヴィスビューを母都市としてリガが建設され、バルト海沿岸のキリスト教化を推し進める拠点となりました。12世紀から14世紀にかけては、ハンザ同盟の重要な中心都市の一つとして繁栄を極めました。

しかし、ヴァルデマー4世治下のデンマークによる占領後、約300年間その支配下に置かれることになります。デンマーク統治時代には重税が課せられ、相次ぐ略奪、そして新興都市リューベックの台頭などにより、ヴィスビューは衰退の一途を辿りました。20世紀に入るまで人口は1万人を下回る状況でしたが、対岸のスウェーデン本土との定期連絡船が開通すると、往年の活気を取り戻し始めました。

世界遺産

ハンザ同盟都市としての歴史的な町並みが評価され、1995年にユネスコの世界遺産に登録されました。登録基準は以下の通りです。

(4): 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例であること。
(5): ある文化（または複数の文化）を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例であること。

薔薇の都

ヴィスビューは「薔薇の都」として知られ、城壁内にはバラ園を備えた植物園があります。城壁周辺、港、大聖堂、バスターミナル、ゴットランド大学周辺、そして旧市街の路地裏に至るまで、街のいたるところでバラの植え込みや生垣を見ることができます。この美しい景観が、ヴィスビューを特別な場所として印象付けています。

その他

ヴィスビュー近傍には、ウィンドパークの初の直流高電圧相互連結用の交直変換所（HVDC Visby-Nas）があります。また、スタジオジブリのアニメ映画『魔女の宅急便』に登場する街「コリコ」は、ストックホルムとともにヴィスビューをモデルにしており、スタジオジブリのスタッフがロケハンを行っています。

ヴィスビューをより深く知るために

ヴィスビューは、その長い歴史と美しい景観から、訪れる人々を魅了する街です。ハンザ同盟都市としての繁栄、デンマークによる支配、そして現代への復興という歴史を辿りながら、中世の面影を残す街並みを散策するのは、貴重な体験となるでしょう。また、「薔薇の都」と呼ばれる所以である、街中に咲き誇るバラの美しさを堪能するのもおすすめです。

姉妹都市

リューベック（ドイツ連邦共和国）
ゾースト（ドイツ連邦共和国）
* クラーゲリョー（ノルウェー）

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