ヴィタヤ・ラオハクル

ヴィタヤ・ラオハクル

ヴィタヤ・ラオハクル（Withaya Laohakul）は、1954年2月1日にタイで生まれた元サッカー選手であり、指導者としても知られています。彼は特に日本サッカーリーグ（JSL）での活躍が評価されています。彼の名前は日本では「ビタヤ」として知られ、サッカー界におけるアジア人の先駆者としての地位を確立しました。

選手としてのキャリア

14人兄弟の7番目として生まれたヴィタヤは、サッカー一家に育ちました。彼の兄たちもサッカー選手として活躍しており、18歳の時にラパチャFCへ加入しました。1976年にはタイ代表として、ムルデカトーナメントで日本代表相手にフリーキックから2ゴールを決め、その才能が一躍注目されました。試合後には、当時の名選手、釜本邦茂からの推薦でヤンマーディーゼルサッカー部（後のセレッソ大阪）からのオファーを受けました。

1977年にヤンマーに合流した彼は、翌年1月に日本サッカーリーグでデビューし、アジア人選手として初めて外国人登録された選手となります。デビュー戦では三菱重工相手にアシストを記録し、その後も積極的なプレーで20試合で4ゴールを挙げました。帰国後もタイ代表として活躍し、西ドイツのヘルタ・ベルリンに移籍。ここでヨーロッパの舞台でもプレーする初のタイ人選手となりました。1982年に1.FCザールブリュッケンに移籍し、さらにその後もサッカーキャリアを続けます。

1987年には松下電器産業サッカー部に加入し、ヘッドコーチを兼任しながら選手としても活動しましたが、1990年に現役を引退しました。

指導者としての経歴

選手引退後、ヴィタヤは松下電器のコーチを経て、Jリーグ開幕後はガンバ大阪のヘッドコーチとして8年間指導に携わりました。彼は1996年にバンコク・バンクを率いてタイ・プレミアリーグで優勝を果たしました。その後、1997年から1998年にはタイ代表の監督を務めるなど、指導者としても多くの実績を残しました。

2007年にはガイナーレ鳥取にヘッドコーチとして就任し、成績向上を目指しましたが、交通事故に遭い重傷を負ったため監督を辞任することになりました。その後、古巣チョンブリーFCに戻り、再び指導者として活躍。チーム強化に向けてさまざまな人材を迎え入れ、さらなる成長を促しました。

2013年以降はチョンブリーFCのテクニカルディレクターを務め、タイサッカー協会でも同様の役職を担っています。2018年のアジア競技大会からは一時的に外れるものの、再度タイ代表強化に携わり、指導者としての影響力を発揮しています。

人物としての特徴

ヴィタヤは、流暢な日本語や関西弁を話すことができ、日本での生活や経験が彼のスタイルに大きく影響していることがうかがえます。彼のキャリアは、タイと日本のサッカーにおける架け橋となり、多くの後進たちに道を示すものとなっています。ヴィタヤ・ラオハクルは、選手としての栄光とともに、指導者としてもサッカー界に多大な貢献を続けている人物です。

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