ヴィルヘルム・フォン・ヴュルテンベルク (1761-1830)

ヴィルヘルム・フリードリヒ・フィリップ・フォン・ヴュルテンベルク（1761年12月27日 - 1830年8月10日）は、ヴュルテンベルク公フリードリヒ・オイゲンとフリーデリケ・ドロテア・ゾフィア妃の四男として生まれました。彼はドイツ・ヴュルテンベルク王国の王族であり、デンマークの将軍として活躍しました。また、ヴュルテンベルク初代軍事大臣（1806年 - 1815年）を務め、ウラッハ公爵家の始祖としてもその名を残しています。

軍人としての経歴

1779年、ヴィルヘルムはデンマーク軍に士官として入隊し、その能力からすぐに大佐に昇進しました。1781年には連隊長、1783年には少将へと順調に昇進を重ね、1785年にはデンマーク王室近衛歩兵連隊の連隊長に就任しました。1795年には中将にまで昇りつめ、軍人としての地位を確立しました。1801年にはコペンハーゲン市の軍政長官となり、同年にイギリス海軍との間で起こったコペンハーゲンの海戦に参加しました。しかし、1806年には1万ライヒスターラーの退職金を受け取り、デンマーク軍を退役しました。

ヴュルテンベルクでの活動

退役後、ヴィルヘルムは長兄であるヴュルテンベルク王フリードリヒ1世によって母国に呼び戻され、1806年に陸軍元帥および初代軍事大臣に任命されました。しかし、1811年にはフリードリヒ・フォン・フュール男爵が軍事副大臣として実質的に軍事省を統率するようになり、ヴィルヘルムは1815年に名ばかりの軍事大臣を退任することとなりました。その後は、趣味としていた自然科学の研究や医師としての活動に没頭し、その功績が認められ、1817年にはテュービンゲン大学から医学の名誉博士号を贈られました。また、王家の成員として、1819年から1830年までヴュルテンベルク王国議会の議員を務めました。

結婚と家族

1800年8月23日、ヴィルヘルムはコズヴィヒにおいて、母の女官であったヴィルヘルミーネ・フォン・トゥンダーフェルト＝ローディス男爵夫人と結婚しました。妻はスウェーデンに仕官するバルト・ドイツ人軍人の家系出身であり、この結婚はヴュルテンベルク家の家内法により貴賤結婚とされました。そのため、ヴィルヘルムは1801年8月1日に自身とその子孫の家督相続権（王位継承権）を放棄しています。

ヴィルヘルムとヴィルヘルミーネの間には、5男1女の6人の子供が生まれました。子供たちはヴュルテンベルク伯爵（Graf/Gräfin von Württemberg）の称号を許されました。

クリスティアン・フリードリヒ・アレクサンダー（1801年 - 1844年）
クリスティアン・フリードリヒ・アウグスト（1805年 - 1808年）
フリードリヒ・ヴィルヘルム・アレクサンダー・フェルディナント（1810年 - 1869年） - 初代ウラッハ公爵
フリードリヒ・アレクサンダー・アウグスト・ヴィルヘルム（1811年 - 1812年）
フリードリヒ・アレクサンダー・フランツ・コンスタンティン（1814年 - 1824年）
フリーデリケ・マリー・アレクサンドリーネ・シャルロッテ・カタリーナ（1815年 - 1866年） - 1842年、ヴィルヘルム・フォン・タウベンハイム伯爵と結婚

参考文献

Wolfgang Schmierer: Wilhelm, Herzog von Württemberg, In: Sönke Lorenz, Dieter Mertens, Volker Press (Hrsg.): Das Haus Württemberg. Ein biographisches Lexikon. Kohlhammer, Stuttgart 1997, ISBN 3-17-013605-4, S. 380 f.
Frank Raberg: Biographisches Handbuch der württembergischen Landtagsabgeordneten 1815–1933. W. Kohlhammer Verlag, Stuttgart 2001, S. 1050 f.

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