ヴィンセント・ヤーブロー

ヴィンセント・レイモンド・ヤーブロー（Vincent Raymond Yarbrough、1981年4月17日生まれ）は、アメリカ合衆国テネシー州クリーブランド出身の元プロバスケットボール選手です。身長201cm、体重95.3kgで、主にスモールフォワードのポジションでプレーしました。

プロ入り前

ヤーブローは、テネシー州クリーブランド高校時代にオールアメリカンに選出されるなど、その才能を早くから注目されていました。1997年には、NCAAトーナメントのファイナル4に進出した強豪校、ケンタッキー大学、デューク大学、ノースカロライナ大学、そしてテネシー大学から勧誘を受け、最終的にテネシー大学へ進学しました。1999年には、18歳の誕生日を迎える前にNCAAトーナメントに出場し、最年少出場記録を樹立しました。

テネシー大学では、その卓越した能力を発揮し、数々の記録を打ち立てました。2012年時点では、得点、リバウンド、ブロックショット、スティールといった主要な部門で、テネシー大学の歴代トップ10入りを果たしており、特にスティール数においては歴代1位という偉大な記録を保持しています。

NBAでのキャリア

2002年のNBAドラフトで、ヤーブローは2巡目32位でデンバー・ナゲッツから指名を受け、プロのキャリアをスタートさせました。1年目の2002-2003シーズンには、チームが主力選手を放出し再建を図っていた時期と重なり、59試合中39試合でスターティングメンバーとして出場しました。このシーズン、ヤーブローは平均6.9得点、2.7リバウンド、2.2アシストの成績を残し、将来を期待されました。しかし、翌2003-2004シーズンを前に、プレシーズンゲームで十分な結果を残すことができず、シーズン開幕直前の10月下旬にチームから解雇されてしまいます。

ヨーロッパでのキャリア

NBAでのキャリアを終えたヤーブローは、ヨーロッパへと活躍の場を移しました。2003年11月には、ギリシャA1バスケットボールリーグのオリンピアコスBCと契約を結びました。その後、シーズン途中にイタリアのセリエAに所属するシキリア・メッシーナへ移籍しました。2004年8月には、ベルギー・バスケットボール・リーグのBCオーステンデと契約し、1シーズンを過ごしました。2005年8月には、再びイタリアのセリエAのヴィオラ・レッジオ・カラブリアに所属しましたが、翌年4月には解雇されました。2006-07シーズンからは、ドイツのブンデスリーガに舞台を移し、ブローゼ・バスケッツ、EnBWルードウィースブルク、テレコムバスケッツ・ボンといったチームでプレーしました。しかし、怪我の影響により、プロ選手としてのキャリアを終えることとなりました。

ヤーブローは、その身体能力とバスケットボールセンスを活かし、NBA、ヨーロッパの様々なリーグで活躍しました。特に、大学時代の圧倒的な実績は、彼の才能を証明するものでした。怪我による引退は残念でしたが、彼のバスケットボールへの情熱と貢献は、多くの人々の記憶に残っています。

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