一三式練習機

一三式練習機について

一三式練習機（いちさんしきれんしゅうき）は、日本海軍が第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に採用した単発の複座型複葉練習機です。この機体は、横須賀海軍工廠で設計され、その機体略番はK1Yとして知られています。

開発の背景

一三式練習機は、イ号甲型水上練習機やアブロ式練習機の後継として開発が進められました。設計主務者は、横須賀海軍工廠の橋本賢輔技師です。1925年に試作機が完成し、同年の10月には正式に一三式練習機として制式採用されました。

性能と特性

一三式練習機には、主に陸上型の「一三式陸上練習機（K1Y1）」と水上型の「一三式水上練習機（K1Y2）」の二種類が存在します。中でも水上機型が多く生産され、最終的には横須賀海軍工廠、中島、川西、渡辺の各社で合計100機以上が製造されました。この機体は、昭和10年頃には多くが民間に払い下げられ、練習機や作業機として広がりを見せました。

一三式水上練習機の基本仕様

• - 全幅: 10.21 m
• - 全長: 8.68 m
• - 全高: 3.47 m
• - 全備重量: 1,056 kg（陸上機型は926 kg）
• - エンジン: 瓦斯電 ベ式130馬力発動機（ベンツ Bz III）、水冷直列6気筒、130 hp×1
• - 最大速度: 130 km/h（陸上機型は143 km/h）
• - 航続距離: 3時間
• - 武装: なし
• - 乗員: 2名

練習機としての役割

一三式練習機は、主に航空機の飛行訓練に特化して設計されています。その複座のレイアウトは、教官と生徒が同時に乗ることを可能にし、実践的な訓練が行いやすい設計となっています。この機体の特性により、操縦技術を習得するための重要な道具となりました。

歴史的意義

一三式練習機は、その開発と活用の過程で日本の航空機産業における重要なステップを示しています。特に、戦間期の飛行機に対する需要の高まりと、戦後の航空機復興に寄与した点が評価されています。この機体は、単なる練習機に留まらず、その後の日本航空の発展にも影響を与える存在として位置づけられました。

まとめ

一三式練習機は、日本海軍における重要な練習機として、多くのパイロットを育成する役割を果たしました。多種多様な使い道がなされたこの機体は、航空史においても特異な存在となっています。

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