一伝無双流

一伝無双流とは

一伝無双流（いちでんむそうりゅう）は、村松一有によって創設された日本の柔術の流派です。流派の名称は「一伝無双之柔」として記されることもあります。この流派は、独自の技術や哲学を有し、柔術の歴史において重要な位置を占めています。

歴史

一伝無双流のルーツは、龍野藩に存在した藩校、敬楽館での学びにさかのぼります。村松一有は、そこで様々な武道や武術の技術を習得し、後にそれらをもとに独自の流派を築き上げました。この流派は、伝承された技術と哲学を融合させ、受け継がれてきました。

技術の内容

一伝無双流には、多岐にわたる技が存在します。以下はいくつかの主な技の紹介です。

• - 使者取: 相手の動きを封じる技。
• - 気ノ移: 相手の意表を突く技術。
• - 無刀取: 武器を持たない状態で使う技。

さらに、以下の技も代表的です。

• - 母衣付: 相手の動きを補助する技。
• - 引付: 相手を制御する技。
• - 御意取: 相手の意図を読み取る技。

その他にも、

• - 脇車や将鬼詰、
• - 通取と呼ばれる一連の技もあります。特に、屏風倒や脇捫は、多くの実戦シーンで用いられます。

また、流派には「白砂取」や「夢相切」などの独特な技もあり、多様な技の集まりがこの流派の特徴です。

立合いの技

一伝無双流では、立合いに必要な技術も多く存在します。例えば、

• - 気之前や大修羅、
• - 小霞や色馳などが、主に対戦時に使用される技です。

他にも、精緻な動きと力強さが求められる技が多く、これらは全て　流派の哲学や戦の理を体現しています。特に、入身や早縄真草行などの技は、一伝無双流が追求する一つのスタイルを示しています。

系譜

一伝無双流は、村松一有を初代とし、次々と弟子たちに受け継がれています。系譜には、池田十右衛門、是川十左衛門、衣笠文七、水野三郎右衛門などの著名な武道家が名を連ねています。彼らはそれぞれの時代において、一伝無双流の技術をさらに発展させてきました。

最近では、山田常休や三田小一郎といった優れた師範が、その技を後進に伝える役割を果たしています。こうした系譜は、流派の歴史と技術の自己伝承を示しており、後世に受け継がれていく重要な要素となっています。

参考文献

一伝無双流に関する詳細な資料は、久富鉄太郎著『拳法図解』に見られます。この書籍は1888年に出版され、流派の技術や理論について詳しく解説されています。流派の研究や技術の理解において、一伝無双流を学ぶ人にとって貴重な情報源となるでしょう。

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