一四式水上偵察機

一四式水上偵察機 (E1Y)

一四式水上偵察機は、横須賀海軍工廠により開発され、1926年に日本海軍の制式機として採用された水上偵察機です。この機体は、海軍の水上偵察機の中でも重要な役割を果たしました。機体の略号はE1Yであり、日本国内での設計と製造が行われました。

開発と製造の経緯

1921年、日本海軍は後継機として新たな水上偵察機の開発を始めました。開発にはショート社のフレッチャー技師が設計を担当し、横須賀海軍工廠の技師たちと共に試作機が作られました。この試作機は「十年式水上偵察機」と呼ばれ、当時の日本製機では初めての尾部フロートを廃したデザインが特徴でした。しかし、初期の機体は重量が重すぎたため、満足のいく性能には達しませんでした。

改良が続けられる中、1925年に「十年式水上偵察機B型」が試作され、最終的に1926年1月、一四式水上偵察機 (E1Y) として正式に採用されました。この機体は、愛知航空機および中島飛行機によっても生産され、合計320機が製造されました。

機体の構造と特徴

一四式水上偵察機は、木製骨組の上に羽布で覆われた機体を持ち、最初は複座でしたが、後に三座に改良されました。使用されたエンジンには、ロレーヌの450馬力水冷V型12気筒エンジンが搭載されており、機種によって異なる仕様がありました。この改良により、乗員が1名増加しました。その結果、より多くの情報収集を実現しました。

操作および運用

一四式水上偵察機は、航続距離が長く、安定性に優れていたため、実用性の高い機体でした。日中の偵察任務に加え、艦載や基地用としても広く使われ、日支事変の初期にも活躍しました。第一線を退いた後は、練習機や民間機としての使用が始まり、多くの機体が民間へ払い下げられました。その際、一部の機体は後席をキャビン式に改造され、最大4名まで乗せることができるようになりました。

性能

一四式水上偵察機の性能は次のとおりです。

• - 全長：10.59m
• - 全幅：14.22m
• - 全高：4.15m
• - 自重：1,880kg
• - 全備重量：2,750kg
• - 最高速度：178km/h
• - 乗員：3名
• - エンジン：ロレーヌ 450馬力水冷W型12気筒
• - 航続距離：1,150km（最長9時間）
• - 武装：7.7mm機銃（後方旋回）×1、爆弾30kg×4または110kg×2

結論

一四式水上偵察機は、日本海軍の水上偵察任務において重要な役割を果たしただけでなく、後に民間機としても利用されたことから、多様な用途に対応できる機体であったと言えます。

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