一徹 (AV男優)

一徹（いってつ）

1979年（昭和54年）2月21日生まれ、日本のAV男優。本名でも活動しており、「鈴木一徹」名義でも広く知られている。

来歴

一徹のAV業界入りのきっかけは、異色の経歴を持つ。中央大学に在学し、公認会計士試験の合格を目指して勉強に励んでいた2004年頃、偶然見かけた「汁男優」の募集に興味を持ったことが、この道に進む契機となった。当初は端役である汁男優としてキャリアをスタートさせたが、その存在感と実力が認められ、やがて作品の中心となる単体男優へとステップアップを果たした。

転機が訪れたのは2008年。同年11月、Love Body 1stの作品で女性向けアダルトビデオへの出演を開始する。当時、男性向け作品が主流であったAV業界において、女性視聴者をターゲットにした作品はまだ黎明期にあり、一徹はその分野のパイオニアの一人として頭角を現していく。

2009年2月には、代々木忠監督が手掛ける人気シリーズ「ザ・面接」に起用され、以降、同シリーズのレギュラーメンバーとして安定した人気を獲得する。そして同年7月、一般女性向けライフスタイル誌『an・an』のSEX特集号に付属したDVD（SILK LABO監修）への出演が大きな話題を呼んだ。これを機に、AVファンだけでなく一般の若い女性層からの支持が爆発的に増加。一徹は、AV男優という枠を超え、多くの人々にその名を知られる存在となり、名実ともに人気AV男優の地位を確立した。

プライベートでは、ブレイクと同年の2009年に結婚。三児の父でもあることを公表しており、この家庭的な側面も彼の人気や親しみやすさに繋がっている要素の一つと言えるかもしれない。

人気男優としての活動を続ける中で、特定のレーベルとの関係も深めていった。2012年8月1日にはSILK LABOの専属男優となり、多くの作品に出演。その後、2016年8月1日にはSILK LABOとGIRL'S CHという二つの主要レーベルのダブル専属契約を結び、活動の幅をさらに広げた。しかし、2017年1月末をもってこれらの専属契約を卒業し、新たなステップへと進むことを選択する。

専属卒業後の2018年2月21日、自身の誕生日という記念すべき日に、新たな挑戦として自身が監督を務めるAVレーベル「RINGTREE」を立ち上げた。このレーベルから制作された作品は、主に女性向けアダルトサイトGIRL'S CHを通じて配信されており、表現者としてだけでなく、クリエイター、プロデューサーとしての才能も発揮している。

多方面での活動

一徹の活動はAV出演にとどまらない。その端正なルックスと誠実な人柄から、AV業界の枠を超えて多岐にわたる分野で活躍している。

メディア出演: テレビ、ラジオ、ウェブテレビなど、様々なメディアに登場。代表的なテレビ番組としては、『有吉ジャポン』『GTO完結編〜さらば鬼塚! 卒業スペシャル〜』『ノンストップ!』『アウト×デラックス』など、バラエティから情報番組、ドラマまで幅広いジャンルに出演し、AV男優としての仕事や私生活について語り、一般視聴者にも親しみやすい存在として認知された。ウェブテレビではニコニコ生放送やAbemaTVなど、多数の番組に出演経験がある。
出版活動: 自身の経験や考えを綴った書籍や、魅力的なルックスを捉えた写真集など、多数の出版物を手掛けている。特に女性を意識した写真集は人気が高く、カレンダーもリリース。雑誌『本当にあった笑える話Pinky』では、「鈴木一徹のパパはえぇぶいだんゆう。」というコラムを長期連載している。
イベント出演: 女性限定のファンイベントを積極的に開催しており、ファンとの交流を大切にしている。映画公開記念イベントやチャリティイベントなど、様々な企画に参加。
その他: VR作品への出演や、映画『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』、舞台『ロミオとジュリエットですが…』への出演経験もある。2018年にはオンラインサロン「電脳喫茶『一徹』(仮)」を開設し、デジタルプラットフォームでのファンサービスも展開している。

公認会計士を目指していたという異色の経歴から、AV男優としてのブレイク、既婚者であり三児の父であるという公表、そして自らレーベルを立ち上げて監督業にも乗り出すなど、常に新たな挑戦を続ける一徹は、AV業界における一つの成功モデルとして、またAV男優のイメージを一般社会に広く知らしめた人物として、重要な存在と言えるだろう。

もう一度検索