一所持

一所持（いっしょもち）

一所持とは、江戸時代の薩摩藩において、特に重要な家格として位置づけられた存在です。この家格は、藩主である島津家の一族、および藩内でも特に重きをなす17の家柄によって構成されていました。

一所持の役割

一所持に名を連ねる家々は、藩政において中心的な役割を担っていました。彼らは、最高位の家老職を筆頭に、少なくとも組頭や番頭といった要職を歴任し、藩の政治運営に深く関与しました。これらの役職を通じて、藩の政策決定や実行に大きな影響力を持っていました。

一所持の特権

一所持の家々は、それぞれが独立した世襲的な私領を有していたという点が、大きな特徴の一つです。この私領は、彼らの家系によって代々受け継がれ、その地域における支配権と経済的な基盤を保証しました。また、一所持の家臣たちは、藩から側役以上の役職を与えられると、その職務に加えて地頭を兼務することができました。これにより、一所持は、与えられた郷（外城）において、一代限りの裁量権を持つことが許されました。この裁量権は、行政や司法、徴税など、多岐にわたる分野に及んでおり、一所持は、それぞれの領地において、実質的に領主としての権限を行使していました。

一所持の構成

一所持は、薩摩藩の中でも特に重要な家柄によって構成されていました。この家格に名を連ねることは、藩内における高い地位と権威を象徴していました。具体的にどの家々が該当したかは、詳細な記録が残っていないため、正確な情報は不明な点もありますが、いずれも薩摩藩の歴史において重要な役割を果たした家系であることは間違いありません。

まとめ

一所持は、薩摩藩における特異な家格であり、藩主一族と重臣によって構成され、藩政の中枢を担いました。彼らは、世襲的な私領と地頭としての裁量権を持ち、藩の政治、経済、軍事において重要な役割を果たしました。一所持の存在は、薩摩藩の独特な統治体制を理解する上で、欠かせない要素であると言えるでしょう。

関連項目

• - 薩摩藩家臣

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