一発必中!! デバンダー

『一発必中!!デバンダー』は、タツノコプロダクション創立50周年を記念して2012年に制作されたOVA作品です。同社を代表するタイムボカンシリーズを彷彿とさせる、痛快でユーモラスな展開が魅力の一つとなっています。

本作は、普段は平凡な少年、春風一馬が、謎の宇宙船の襲来をきっかけに、正義のヒーロー・デバンダーに変身する物語です。デバンダーは、スマホ型の変身アイテム『デバンダイーシステム』を使用し、相棒のメカウマ・ロボニーと共に、地球のエネルギーを奪おうとするムザンダ星の支配者・キングブルとその配下と戦います。

監督には、タイムボカンシリーズなど、数々のタツノコ作品で手腕を発揮してきた笹川ひろし氏、メカニックデザインには大河原邦男氏など、豪華スタッフ陣が参加。往年のタツノコ作品からのゲストキャラクターも多数登場し、懐かしさと新しさが融合した作品となっています。

物語は、富士山上空に突如現れた宇宙船が地球のガイアエネルギーを吸収し始めることから始まります。絶体絶命の状況で、一馬は、ムザンダ星から来た使者・ヒンケールと出会い、デバンダーへの変身能力を授かります。

デバンダーの変身には、一馬の「ラッキーパワー」、つまり精神力が必要不可欠です。ラッキーパワーが弱まると変身が解けてしまうため、常に精神力を高めておく必要があります。また、一馬の妹・サクラは、地球一のラッキーパワーの持ち主であり、彼女がそばにいるとデバンダーのラッキーパワーは最大限に高まります。

ロボニーは、一見すると普通の馬のような姿をしていますが、戦闘時にはカッコいい天馬へと変身し、デバンダーをサポートします。ロボニーは、デバンダーが持つニンジンをエネルギー源としており、そのエネルギーを使って様々な攻撃を繰り出します。

キングブルとその配下であるギアラ、ミノ、バリは、地球のガイアエネルギーを奪うため、様々な策略を巡らせ、デバンダーの前に立ちはだかります。デバンダーは、ロボニーと共に、彼らの悪巧みを阻止しようと奮闘します。

本作には、多くの魅力的なキャラクターが登場します。主人公の一馬は、最初は平凡な少年ですが、デバンダーとして戦う中で成長していきます。一方、キングブルは、野心的な悪役ですが、どこか憎めない部分も持ち合わせています。

その他にも、ヒンケール、オアシース公爵、サクラ、そしてラブリーなど、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩り、視聴者を惹きつけます。

『一発必中!!デバンダー』は、タツノコプロの伝統と革新が融合した、まさに「古くて新しい」アニメーション作品と言えるでしょう。コミカルな要素と迫力のある戦闘シーン、そして魅力的なキャラクターたちが織りなす物語は、子供から大人まで楽しめる作品です。

本作は、2012年9月22日、23日にキッズステーションで先行放送され、その後も数回放送されました。Blu-ray Discは、角川書店より発売されたタツノコプロ創立50周年記念書籍『TATSUNOKO PAST ＆ FUTURE〜タツノコプロ50TH カコトミライ〜』に同梱され、DVDも松竹より発売されました。また、ケロケロエースでは、墨丸こいち氏による4コマ漫画も連載されました。

主題歌は、オープニングテーマ『君のデバンダー!』とエンディングテーマ『虹の世界へ』で、いずれも魅力的な楽曲となっています。

『一発必中!!デバンダー』は、タツノコプロの50周年を記念した、見逃せない作品の一つです。その魅力あふれる世界観を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

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