一般人による画像・動画・音声記録の適法性とは？意味をやさしく解説

一般人による画像・動画・音声記録の適法性

一般市民が他者やその所有物を撮影・録音する行為は、法的に複雑な問題を含みます。本稿では、記録行為そのものに焦点を当て、記録の二次利用や著作権などの知的財産権の問題は扱いません。また、公務員による公務上の記録も対象外とします。主に、民間人による記録行為について、その適法性を詳しく見ていきましょう。

概要

一般的に、公共の場所や公道からの撮影・録音は、多くの国や地域で適法とされています。しかし、私有地への立ち入りや、プライバシーに関わる記録は制限されます。ここで言う「公共物」「公有地」とは、一般の人が自由に出入りできる道路や公園などを指しますが、国防施設など、撮影が禁止されている場所も存在します。

記録行為は、基本的人権である精神的自由や表現の自由と密接に関わります。しかし、個人のプライバシー保護も重要であり、多くの国や地域で、記録行為を制限する法律が存在します。また、写真撮影に関する法律と、動画撮影に関する法律が異なる場合が多い点も注意が必要です。

各国の状況

米国

アメリカでは、同時多発テロ以降、撮影禁止法を制定する州や都市が増えました。特定の施設やランドマークの撮影を禁止する条例や規則が設けられています。

日本

日本では、憲法に基づき、撮影を直接禁止する法律は制定されていません。しかし、個人の肖像権やプライバシー権を侵害する場合、違法とみなされることがあります。また、他人の所有物の記録についても、明確な基準は曖昧です。最高裁判所は、公権力による「正当な理由のない」個人撮影を禁止しています。

法律違反の例

重要施設

テロの標的になりうる重要施設の撮影は、米国では厳しく制限されています。橋などの構造物の撮影が禁止されている場合もあります。日本では、国防施設や重要施設でも、公有地からの撮影は基本的に禁止されていません。ただし、私有地への立ち入りは原則として許可が必要です。

「のぞき」撮影

多くの都市で、いわゆる「盗撮」行為、特に女性のスカート内や胸元を撮影する行為は禁止されています。日本では、各都道府県の迷惑防止条例で、これらの行為を規制しています。また、ズボンを着用した女性の臀部を撮影する行為も、条例違反とみなされています。

子供

米国の一部の州では、親の許可なく子供の画像や動画を記録する行為が違法です。

公開

ヨーロッパでは、公有地で撮影した人物の画像を、許可なく公開することは禁止されています。これが、Googleストリートビューの導入が遅れた理由の一つです。

音声録音

集団の会話を録音する場合、米国では、州によって同意が必要な人数が異なります。一部の州では、集団のうち一人の同意で良い一方、全員の同意が必要な州も存在します。

一般人による画像・動画・音声記録の適法性