一般構造用圧延鋼材

一般構造用圧延鋼材（SS材）について



一般構造用圧延鋼材、通称SS材（あるいは材料記号SS）、は、日本の産業規格であるJIS G3101に基づいて規定されています。SS材は、その機械的性質に基づく最低限の基準を設けることで、さまざまな用途に対応できるように設計されています。特に、SS400はこの中でも最も流通量が多く、鉄鋼材料の中でも代表的な鋼材として広く知られています。

SS材の種類と構成



SS材は、いくつかのグレードに分類されており、具体的にはSS330、SS400、SS490、SS540の4種があります。これらのグレード名には、引張強さの下限を示す数字が付いており、成分基準は他の鋼材に対して比較的緩やかとなっています。たとえば、SS330、SS400、SS490では、リンと硫黄の上限が定められており、SS540では加えて炭素とマンガンの上限も設けられています。

強度基準が決まることで、必要な炭素量は自ずと特定されますが、SS540を除いては炭素量に関する厳格な制限はありません。リンや硫黄の制限は、低温脆性や赤熱脆性を軽減するための重要な措置です。

溶接性について



SS材は一般的に炭素含有量が低い（約0.25%以下）の炭素鋼として理解されています。SS330やSS400の鋼材は、基本的に溶接が可能ですが、規格として溶接性が保証されるわけではありません。そのため、溶接性を確保する場合は、溶接構造用圧延鋼材（SM材）を使用することが推奨されます。なお、炭素の含有量が多いSS490やSS540、さらにはSS400でも厚さが50mmを超える場合には、溶接を行うことは通常推奨されません。

使用方法と熱処理



SS材は熱処理を行わずに使用することが基本とされており、熱処理を要する用途では、炭素含有量が厳格に制限されている機械構造用炭素鋼（S-C材）を選ぶことが一般的です。しかし、コストを抑えた製品では、SS材を浸炭処理した後に焼き入れや焼き戻しを行う方法も見受けられます。

化学成分と機械的性質



SS材の化学成分に関しては、各グレードの分析値が次のように定められています。

また、機械的性質の例として、SS400の降伏点は245MPa（N/mm²）、引張強さは400〜510MPa（N/mm²）、伸びは26%以上と規定されています（鋼材の厚さが16mm以下の場合）。


一般構造用圧延鋼材は、建設や製造業を含む多岐にわたる産業での利用が期待されており、その一般的な特性と柔軟性が魅力とされています。

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