一芸入試

一芸入試についての解説

一芸入試とは、受験者が申告する特技や入学への熱意を基に学生を選抜する方法です。この入試形式は、学力審査だけに依存せず、多角的に学生の適性を評価する特徴があります。特に代表的な例として、スポーツ推薦入試が挙げられます。これは、高校までのスポーツ活動の実績に基づいて大学が学生を選ぶ制度です。

一芸入試の種類

一芸入試には、スポーツ推薦だけでなく、さまざまな形式があります。総合型選抜（AO入試）、自己推薦入試、公募制推薦入試などがその例です。これらの方式は、各学校によって異なる名称で呼ばれていますが、基本的には特定の才能や活動を重視する選抜方法として共通しています。

スポーツ推薦の歴史

日本におけるスポーツ推薦の立ち上がりは、1960年代にさかのぼります。この時期、大学紛争を経て、競技者に対する優遇措置が批判の対象となり、入試の優遇措置が次第に縮小されました。しかし、体育学部においては異なり、早い段階から積極的な推薦入試が導入され、競技者の確保が可能となりました。

1970年代には、特別枠を設けた入試が導入され、早稲田大学の「体育学専修特別選抜」がその一例です。この制度は競技実績に基づいて選抜を行うもので、透明性を持つ形で運営されていました。しかし、この制度に対しては、運動部の強化が目的かどうかに疑問が呈されることもありました。

スポーツ活動の評価

1987年に行われた臨教審の答申は、大学入試におけるスポーツ活動の評価を重視するものでした。以降、大学入試の選抜方法が多様化し、学力だけでなく他の活動が評価されるようになりました。これにより、多くの大学がスポーツ推薦や特技による選抜を導入することとなったのです。

一芸入試の課題

一芸入試にはいくつかの課題が存在します。例えば、スポーツ推薦による進学者が学業に適応できず、学部の選択肢が制限されることがあるのです。運動部に所属することが必須である場合、怪我や人間関係の問題が発生すると、大学生活が非常に厳しいものになりかねません。

また、スポーツ以外の一芸入試も存在しており、文化や芸術活動に優れた受験者向けの特別選抜が実施されている大学も増えています。立命館大学や九州国際大学、亜細亜大学などが具体的な例として挙げられます。

推薦入試の現状

近年の調査結果では、一般入試によって入学した学生と比較して、推薦入試で入学した学生は退学や転学の割合が高いことが示されています。また、東京工芸大学の調査によると、推薦入試で入学した学生の学業成績が一般入試の学生よりも劣るという結果も出ています。これらは、一芸入試を含む推薦入試制度に対する懸念の声を高めています。

まとめ

一芸入試は特技や個人の熱意を重要視する入試方式であり、多様化した選抜方法の一環として認識されていますが、その背景や実施方法、しかし、課題も抱えており、選抜制度に関する議論は今も続いています。

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