一進会

一進会について

一進会（いっしんかい、イルチンフェ）は1904年から1910年にかけて、大韓帝国において活動した政治的団体です。この団体は、李容九や宋秉畯のような開化派の指導者たちによって設立されました。日清戦争や日露戦争の結果、日本は急速に大韓帝国に対する影響力を強めており、一進会はこれに注目し、日本の協力を求めました。

設立の背景

日本と大韓帝国の関係は複雑で、特に李氏朝鮮時代には日本の影響力が日増しに強まっていました。日清戦争後、朝鮮の王妃である閔妃は、日本の支配を警戒しましたが、三国干渉によってロシアの影響力も強まる中で、朝鮮内の政治情勢はますます不安定になりました。この時期、独立協会という団体が設立され、韓国の自主独立を訴えましたが、のちに解散させられることとなります。

このような背景のもと、宋秉畯は日本の影響のもとで政治改革を進めるため、一進会を設立しました。設立当初は「維新会」と名付けられましたが、後に「一進会」に改名されました。

一進会の活動と目的

一進会の活動の中心的な目的は、日韓の連携を強め、対等な立場での連邦形成を目指すことでした。特に、日露戦争を背景に、ロシアの侵攻を防ぐことが重要であると考えられていました。このため、会員は日本の軍事作戦を支援し、京義線の敷設工事に無償で参加するなどの活動を行いました。

実際、一進会はその活動によって多くの民間人を動員し、日本軍に大きく寄与したとされています。これは、当時の高宗政権のもとでの政治動乱の中で、非公式な形で日本の力を借りようとする試みでもありました。

組織と会員数

一進会は、設立当初から多くの会員を持ち、公称では80万人から100万人とされましたが、実際の会員数は少ないという見解もあります。1905年には約28万4千人に達したとの記録があります。会長には李容九、副会長には兪学桂が就任し、他にも多くの政治家が役員として名を連ねました。

政治圧力と解散

1905年10月には、日本政府が韓国に対する保護権を強化し、翌年には韓日併合への道を進めました。一進会はこの流れに対抗するため、韓日合邦を提案しましたが、その試みは多くの反発を招きました。大韓協会や天道教徒などが強く反対し、内田良平など日本側の利害が絡む中で、一進会の主張は孤立を深めました。

最終的に、一進会は1910年に日本政府によって解散を命じられ、解散費用として与えられた金額で活動を終えることとなりました。その後、会の有力者たちの多くは朝鮮総督府で顧問として引き続き影響力を行使し、併合後の政治にも関与しました。

終焉と歴史的評価

一進会の活動は、政治的な立場によって評価が分かれます。親日派としての立場から見られることが多く、一進会の登場と活動は、明治期の日本の対韓政策において重要な役割を果たしましたが、同時に独立運動からは非難を受けることも少なくありませんでした。特に李容九は、日韓併合後にその成果に関して失望し、華族の地位を拒否したと言われています。このような歴史の中で、一進会は大韓帝国の歴史において複雑な位置を占め続けました。

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