七つの時計

アガサ・クリスティの『七つの時計』

『七つの時計』（英: The Seven Dials Mystery）は、1929年に発表されたアガサ・クリスティによる長編推理小説です。本作は、前作『チムニーズ館の秘密』から4年後を舞台に、再びケイタラム卿や警視バトルが登場します。

登場人物

作品には多くのキャラクターが関わっており、特にバンドルとビル・エヴァズレーが中心的な役割を果たします。サー・オズワルド・クートや彼の妻マライアもストーリーに重大な影響を与え、キャラクター同士の関係が物語を進行させる鍵となっています。特に、ジェリー・ウェイドとロニー・デヴァルーの変死が物語の最大の謎となり、セブン・ダイヤルズという秘密結社との関連が疑われることになります。

あらすじ

物語は、オズワルド・クートがチムニーズ館を借りている最中に、館に宿泊していた四人の友人が仕掛けたイタズラから始まります。彼らは、毎朝遅くまで寝ているジェリーを起こすために8つの目覚まし時計をセットするという計画を立てたが、意図せずジェリーが睡眠薬を過剰摂取して亡くなるという悲劇的な事態が発生します。

その後、バンドルは亡きジェリーの義妹から彼が残した手紙を見つけ、「セブン・ダイヤルズの一件」を無視するようにという内容を読み解くことになります。そうした出来事が重なる中で、バンドルはロニー・デヴァルーが交通事故に遭遇した現場に遭遇し、彼が言い残した「セブン・ダイヤルズ」という言葉が更なる謎を呼び起こします。

バンドルは、ジェリーとロニーの死を調査するため、国際的な秘密結社「セブン・ダイヤルズ」に関心を持ち、ジミーと共に情報収集を進めます。彼らは過去にドイツで活動していたこの組織が、2人の死に何らかの形で関与しているのではないかと考え始めます。特に、ジェリーが亡くなる前にセブン・ダイヤルズについて何かを知っていたのではないかと疑念が深まります。

バンドルは、ロンドンの政治家であるジョージ・ロマックスが企画しているパーティーに出席することで、更なる真実を探ろうと決意します。そこにセブン・ダイヤルズによる脅迫が絡むことが予想され、緊張が高まります。パーティー当日、状況を知ったバンドルとジミーは、事故や非常事態が発生しないよう事前に手を打ちます。

クライマックス

物語のクライマックスでは、ワイヴァーン荘でのパーティーでの動きが焦点となります。ここで、エーバーハルトが発明した重要な製品が狙われる中、バンドルはセブン・ダイヤルズの会合に潜入します。そこで彼女は、組織の秘密や彼女たちの計画を耳にし、彼らがどれほど危険な存在であるかを知ります。

物語は、バンドル、ジミー、ビルが力を合わせて危機に立ち向かう姿を描きつつ、オズワルド・クートやその夫人との対立も描写されています。このように、個々のキャラクターの背景や動機が交錯し、最終的な真実へと導かれていきます。

『七つの時計』は、アガサ・クリスティの作品の中でも特に複雑な伏線が散りばめられた作品であり、サプライズの連続と緊張感溢れるストーリー展開が特徴的です。読者は結末に向けて、各キャラクターの行動や意図をしっかりと紐解いていく必要があります。

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