万字線

万字線とは

万字線は、かつて北海道の岩見沢市に存在した、日本国有鉄道（国鉄）が運営していた鉄道路線です。室蘭本線の志文駅から分岐し、空知郡栗沢町（現在の岩見沢市栗沢町）の万字炭山駅までを結ぶ23.8kmの路線でした。1914年に万字軽便線として開業し、石炭輸送を目的としていましたが、1985年に廃止されました。

路線の特徴

万字線は全線単線で、非電化の路線でした。閉塞方式はスタフ閉塞式が採用されており、交換可能な駅は存在しませんでした。開業当初は有人駅もありましたが、廃止時には美流渡駅のみが有人駅で、他の駅は簡易委託駅となっていました。輸送密度は1980年度で346人/kmでした。

歴史

万字線の歴史は、万字炭鉱からの石炭輸送を目的として、1914年に万字軽便線として開業したことに始まります。沿線には多くの炭鉱が開発され、石炭輸送で大いに活況を呈しましたが、第二次世界大戦後のエネルギー革命により、炭鉱の閉山が相次ぎました。1978年には貨物営業が廃止され、1980年に国鉄再建法が成立すると、第1次特定地方交通線に指定され、1985年に全線が廃止されました。万字線の列車は、旅客営業開始当初から臨時列車を除き、室蘭本線の岩見沢駅を起点として運行されていました。

駅一覧

万字線には以下の駅が存在しました。

岩見沢（室蘭本線直通）
志文
上志文
朝日
美流渡
万字
* 万字炭山

代替バス

万字線の廃止後、沿線住民の交通手段として、バス路線が代替として運行されるようになりました。
北海道中央バスが岩見沢ターミナルから万字方面へのバス路線を運行していましたが、2022年4月に廃止されました。また、栗沢町福祉バス、岩見沢市営バス万字線も運行されていましたが、2022年4月に廃止されています。現在は、日の出交通による「東部丘陵線コミュニティバス」が岩見沢駅と万字待合所の間を運行しています。

まとめ

万字線は、石炭輸送で栄えた路線でしたが、エネルギー転換と炭鉱閉山により、その役割を終えました。しかし、沿線地域では、現在もバス路線が運行されており、住民の生活を支えています。

もう一度検索