万金聖母聖殿

万金聖母聖殿は、台湾屏東県万巒郷万金村に位置するカトリック高雄教区に属する教会とその聖堂です。台湾に2つあるバシリカの一つであり、現存する台湾最古の教会建築として知られています。この聖殿はドミニコ会によって建設・運営されており、敷地内には同会の修道院も併設されています。

歴史

1861年、スペイン人ドミニコ会士フェルナンド・サインス神父（中国名：郭德剛）は、高雄の前金から万金に通い、熱心に布教活動を行いました。これが万金聖母聖殿の始まりとなります。

1863年には、最初の聖堂が建設されましたが、1865年に発生した南部大地震によって大きな被害を受けました。しかし、神父と信徒たちの協力によって、聖堂は修復され、信仰の灯を再び灯しました。

1869年、現在の聖堂の建設が開始され、翌1870年に完成し、献堂式が行われました。この聖堂は、その後の万金におけるカトリック信仰の中心となりました。

1874年、時の重臣であった沈葆楨が皇帝に宣教への支持を願い出た結果、同治帝は「奉旨」と「天主堂」の文字が彫刻された石板を聖堂に下賜しました。これらの石板は、それぞれ聖堂正面の切妻部分と出入口の上の横木に嵌め込まれ、聖堂の歴史を象徴するものとなっています。

1984年、教皇ヨハネ・パウロ2世によって、聖堂はバシリカに昇格しました。これは、聖堂が持つ歴史的、宗教的な重要性を改めて示すものでした。

2001年には、鐘楼が修復され、聖堂の美しさが保たれています。2013年には、政府内政部主催の「台湾宗教百景」に国民投票によって選出されました。このことは、万金聖母聖殿が台湾の人々にとって重要な文化遺産であることを示しています。

建築の特徴

万金聖母聖殿は、レンガ造りの美しい建築物であり、その外観はヨーロッパの教会を思わせます。聖堂内部は、ステンドグラスがはめ込まれており、自然光が差し込むと幻想的な雰囲気を醸し出します。

祭壇には、聖母マリア像が安置されており、多くの信者たちが祈りを捧げています。

関連事項

台湾のカトリック: 台湾におけるカトリック教会の歴史と現状について知ることができます。
カトリック高雄教区: 万金聖母聖殿が所属する教区の情報です。
林吉男: カトリック台南教区の司教であり、本教会で受洗した人物です。


万金聖母聖殿は、その歴史と美しい建築様式から、多くの観光客や信者たちが訪れる場所となっています。台湾の歴史と文化を語る上で、欠かせない場所の一つと言えるでしょう。

外部リンク

中国語'>万金聖母聖殿公式サイト
* 万金聖母聖殿 - オープンストリートマップ

もう一度検索