三丁目劇場

三丁目劇場の歴史と役割

三丁目劇場（さんちょうめげきじょう）は、かつて岡山県岡山市北区に位置していた劇場であり、地域文化の発展に寄与していました。劇場は、2000年に吉本興業の支社として開場し、その後岡山市に運営権が譲渡されるまでの間、多くのイベントや公演が行われました。2005年からは、単に「三丁目劇場」として独自の活動を続け、2013年に閉館するまでの13年間、地域住民や訪れた観客に親しまれる存在でした。

劇場の設立と運営

1999年、岡山市は市街地の活性化を目的として吉本興業に支社の設置を依頼しました。結果として2000年4月7日、吉本の岡山本拠地が「吉本興業岡山事務所」として設立され、それに伴い劇場がオープンしました。当初は「吉本三丁目劇場」として知られ、数々の漫才イベントや地方のアーティストによる公演の場となりました。劇場名は、後に「よしもと三丁目劇場」とも表記されるようになり、地元の芸人たちが活躍する重要な場所となりました。

しかし、2005年3月31日、吉本興業が岡山から撤退することとなりました。それに伴い、岡山市に運営権が移管され、翌日から劇場名は「三丁目劇場」に変更されました。その後も、劇場は市民によって愛され、多くのイベントが行われる場所として機能しました。

主なイベントと地域の活動

三丁目劇場では、吉本三丁目劇場時代には「SUPER base LIVE OKAYAMA」という漫才ライブが催され、地元の若手が出演する機会となりました。このイベントは当初毎週金曜日に行われていましたが、後に月一回に変更されました。また、劇場は市民サークルの活動場所としても機能し、地元の劇団や大学サークルによる演劇公演、ミニシアター作品の上映が頻繁に行われました。

特に注目すべきは、岡山大学の落語研究会による落語寄席です。このイベントには、地元出身の有名な落語家をゲストとして迎えることもあり、地域住民との交流の場を提供しました。さらに、CHK声優センター岡山校の演劇発表会も定期的に開催され、新たな才能の発表の場ともなっていました。

劇場の施設とアクセス

劇場は1階にエントランスホールや大ホール、ミキサー室、車椅子用スペースが整備されていました。大ホールは最大で163名を収容できるプロセニアム型で、音響や照明設備も整っていました。また、2階には控室や展示室があり、様々なイベントが行えるフリースペースとしての機能を果たしていました。

三丁目劇場へのアクセスはJR岡山駅からは徒歩30分程度、路面電車やバスでも便利な立地にあり、毎日多くの訪問者がありました。

閉館と再開発計画

2013年3月31日、三丁目劇場は閉館しましたが、その後も地域にとって重要な文化資源であり続けました。2018年7月には、再開発に向けた取り組みが始まり、フージャースコーポレーションとの協力で複合高層ビルの建設が計画されています。着工は2022年度、完成は2024年度を目指しているとのことで、劇場の存在が新たな価値として地域に還元されることが期待されています。

三丁目劇場は、岡山の歴史と文化の一部として語り継がれ、地域の人々にとって大切な思い出の場となっています。

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