三井康浩

三井 康浩：元プロ野球選手からスコアラーとしての道へ

三井康浩（みつい やすひろ）は、1961年1月19日生まれの日本の元プロ野球選手であり、球団職員です。滋賀県で誕生し、その後島根県で育った彼は、特に出雲西高等学校時代に強打者として名を馳せました。1978年にはドラフト外で読売ジャイアンツに入団し、プロの道を歩むこととなります。入団当時の同僚には、江川卓（後に阪神から移籍）や鹿取義隆がいます。

しかし、プロとしてのキャリアは、思うようには進みませんでした。入団以来、二軍生活が長く続き、1984年には健康診断で腎臓疾患が見つかり、再検査の結果、医師から現役引退の指示を受けることとなりました。これに関して三井は、「自覚症状は全く無かった」という驚きの声を残しています。

引退後の1985年、彼は読売ジャイアンツの二軍マネジャーの職に就きましたが、当時のチーフスコアラーであった小松俊広の勧めにより、急遽スコアラーに転職しました。これ以降、彼は2002年にはチーフスコアラーとして巨人のスコアラーを22年間にわたり務め、球団においての重要な役割を果たしました。彼にとってのスコアラー職は、ただの仕事ではなく、自己を表現する大切な職務となったのです。

2008年には査定室長に就任し、さらに2009年にはワールド・ベースボール・クラシックに向けた野球日本代表にスタッフとして参加し、チーフスコアラーとしての役割を果たしながら、日本代表の優勝に貢献しました。この偉業により、彼の名声は全国に広まり、野球界における彼の存在感が際立つことになります。

2013年には統括ディレクターに就任し、2017年の編成本部参与を経て、2018年末には読売ジャイアンツを退団しました。退団後の2019年、彼は「Office奏」を設立し、スコアラー時代の経験を生かして講演や著述活動に力を入れ、また野球教室での指導にも取り組んでいます。三井は、自身の知識と経験を次世代に伝えることを重視しており、子供たちや若手選手への指導を通して、野球の楽しさや戦略について教えています。

彼がこれまでに書いた著書には、『スッキリわかる 野球スコアのつけ方』（成美堂出版、2010年）、『ザ・スコアラー』（KADOKAWA、2020年）や、『もしプロのスコアラーがあなたの野球チームにいたら何をやるか』（KADOKAWA、2022年）などがあります。これらの書籍は、彼の専門知識を活かした内容となっており、多くの読者に支持されています。

三井康浩は、元選手としての経験を踏まえた独自の視点から、野球界に大きな影響を与え続けており、現代のスコアラー像に一石を投じる存在として注目されています。

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