三保忠夫

三保忠夫：日本語史研究の Pioneer

三保忠夫先生（1945年生まれ）は、日本の国語学界において、特に国語史、中でも助数詞研究の分野で傑出した業績を残された研究者です。島根大学、神戸女子大学名誉教授の肩書をお持ちです。

生い立ちと学歴

島根県安来市で生まれた三保先生は、広島大学文学部文学科を卒業後、同大学院文学研究科国語学博士課程を満期退学されました。2008年には、「日本語助数詞の歴史的研究」により広島大学から文学博士の学位を授与されています。

研究と教育

弘前大学人文学部講師、島根大学助教授を経て、島根大学教授に就任。その後、神戸女子大学教授を務め、後進の育成にも尽力されました。2008年に島根大学名誉教授、2016年には神戸女子大学名誉教授となられています。

研究内容：日本語助数詞の歴史

三保先生の専門は国語史であり、中でも助数詞の研究に力を注がれました。助数詞は、日本語の数体系において、数を数える対象によって異なる語を用いるという、非常にユニークな特徴を示すものです。先生は、文献資料を丁寧に読み解き、助数詞の歴史的な変遷や意味用法を明らかにする研究を数多く発表されています。

主な著書

『日本語助数詞の歴史的研究 近世書札礼を中心に』 (風間書房, 2000)
『木簡と正倉院文書における助数詞の研究』 (風間書房, 2004)
『古文書の国語学的研究』 (吉川弘文館, 2004)
『藤原明衡と雲州往来』 (笠間叢書, 笠間書院, 2006)
『数え方の日本史』 (歴史文化ライブラリー, 吉川弘文館, 2006)
『日本語の助数詞 研究と資料』 (風間書房, 2010)
『鷹書の研究 宮内庁書陵部蔵本を中心に』 (和泉書院, 2016)
『鷹狩と王朝文学』 (吉川弘文館, 2018)

これらの著作は、助数詞研究における重要な文献として、現在でも広く参照されています。

家族

妻である三保サト子先生（1948年生まれ）も国語学者であり、島根県立大学短期大学部名誉教授を務められています。ご夫婦で国語学の研究に携わっておられることは、学界でもよく知られています。

功績

三保忠夫先生は、長年にわたり国語学、特に助数詞研究の発展に貢献されました。その研究は、日本語の歴史的な変遷を理解する上で欠かせないものであり、後進の研究者たちに大きな影響を与え続けています。

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