三原正

三原 正（みはら ただし）は1955年3月30日生まれの日本の元プロボクサーであり、引退後はボクシングトレーナーとしても知られています。群馬県箕郷町（現在の高崎市）出身で、三迫ボクシングジムに所属していました。彼は群馬県立高崎工業高等学校を経て、日本大学の文理学部体育学科を卒業し、アマチュア時代からその実力を発揮していました。特に1976年にはモントリオールオリンピックのボクシング競技強化指定選手となり、その後、全日本ライトミドル級チャンピオンに輝きました。

プロボクサーとしてのキャリアは、1978年6月22日に行われたプロデビュー戦で田中栄治を3回KOで下したことから始まります。この勝利を皮切りに、たちまち圧倒的な強さを見せつけました。翌1979年4月26日、彼は敵地でOPBF東洋太平洋スーパーウェルター級王者の林載根と対戦し、5回KO勝利を収めました。この試合により、彼は5戦目でOPBF王座を獲得し、歴代最短タイ記録を樹立しました。

その後も三原は精力的に試合をこなし、1979年7月15日の初防衛戦ではアルマンド・ボニキッドを5回KOで倒し、続けて1980年には判定での勝利を重ねて4度目の防衛に成功しました。特に1981年11月7日には、ニューヨーク州ロチェスターでWBA世界スーパーウェルター級王座決定戦に挑み、ロッキー・フラットを相手に2-0の判定で勝利を収め、世界チャンピオンの座を掴み取りました。これにより、三原は日本選手として五人目の海外での王座奪取を果たしました。

その後、1982年2月2日の初防衛戦ではデビー・ムーアに6回KO負けを喫し、王座から陥落。これが彼にとって唯一のキャリアでの黒星となります。1982年11月2日には日本スーパーウェルター級王者・沢田勝博に勝利し、再び王座に返り咲きます。その後の防衛戦でも安定した戦績を残し、1984年には鈴木孝信を相手に1回KO勝ちを収めています。

しかし、彼は持病の腰痛が悪化し、1985年3月28日をもって引退を決断しました。引退後は三迫ボクシングジムのトレーナーに転身し、アマチュア全日本王者からプロ選手となった三谷大和の担当講師を務めるなど、後進の育成にも力を注ぎました。三原の通算成績は、アマチュアボクシングが38戦28勝（15KO・RSC）10敗、プロボクシングが25戦24勝（15KO）1敗となっており、数々のタイトルを獲得してきました。特に、彼が獲得した主なタイトルには、さまざまな国内および国際的なチャンピオンシップが含まれ、ボクシング界での地位を確立しました。

もう一度検索