三宅和助

三宅和助の生涯

三宅和助（みやけ わすけ）は、1930年9月27日に北海道夕張郡由仁町で生まれ、2004年1月24日にその生涯を閉じました。彼は日本の外交官、外交評論家として、その名を歴史に刻みました。

外務省での活躍

1954年に東京大学法学部を卒業後、外務省に入省。1973年には、アジア局南東アジア一課長として、ベトナム戦争終結前から北ベトナム政府幹部と接触し、同年9月の国交正常化に大きく貢献しました。その後もアジア局次長、情報文化局長、初代外務報道官、中近東アフリカ局長を歴任。中近東アフリカ局長時代には、アフリカの飢餓問題に対し「毛布千枚運動」を展開するなど、外交官として多岐にわたる活動を行いました。

退官後の活動

駐シンガポール特命全権大使を最後に外務省を退官。その後は、中東調査会理事長や中央大学総合政策学部教授などを務め、後進の育成に尽力しました。外交評論家としても活躍し、その著書は外交に関する深い知見を提供しています。

晩年

晩年は、病気療養中に先物取引業者に騙され、家や財産を失うという不遇な出来事に見舞われました。この出来事は週刊誌でも大きく取り上げられ、世間に衝撃を与えました。

人物像

福田赳夫との関係

三宅は、外務省内で孤立していた時期に、当時の田中政権の実力者であった福田赳夫に庇われ、激励されたという逸話が残っています。三宅自身も福田家には足を向けて寝られないと語り、生涯にわたってその恩を忘れませんでした。しかし、皮肉にも、2000年代に入ると、福田赳夫の長男である福田康夫と、三宅の娘である三宅雪子が、群馬県第4区にて議席を争うという事態が起こりました。

同期

外務省入省同期には、栗山尚一（駐米大使、外務次官）、中平立（駐加大使）、宇川秀幸（駐ブラジル大使）など、錚々たるメンバーが名を連ねています。彼らとの交流もまた、三宅の外交官としてのキャリアを支えたと言えるでしょう。

家族

妻は、労働大臣や自民党幹事長代理などを歴任した石田博英の長女。娘は元衆議院議員の三宅雪子。義弟（妻の妹の夫）は人吉市長を務めた福永浩介（自民党運輸族の福永一臣の長男）であり、政界とのつながりも深い人物でした。

著書

『外交に勝利はない だれも知らない日本外交裏のうら』（扶桑社、1990年）
『アセアンとベトナム 東南アジア発展の鍵』（サイマル出版会、1993年）
* 『アンコール・ワツトの黄昏』（青蛾書房、1994年）



三宅和助は、外交官としてだけでなく、教育者、評論家としてもその才能を発揮し、日本の国際社会における地位向上に大きく貢献した人物として、その名を永遠に刻むことでしょう。

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