三宅成幸

三宅成幸

1947年8月30日、兵庫県に生を受けた三宅成幸は、日本の元プロ野球選手であり、長く裏方として球界に貢献した人物です。現役時代のポジションは内野手でした。

彼の野球キャリアは、兵庫県立氷上農業高等学校から始まります。高校時代からその才能を発揮し、1年生にしてチームの主軸である三塁手、そして4番打者を任されました。無名のチームでありながら、彼の活躍もあり、3年春の県大会では見事ベスト4まで進出するなど、その実力は高く評価されていました。

高校卒業後、三宅は社会人野球の名門、小西酒造野球部に所属します。ここでさらに野球に磨きをかけ、プロ入りを目指すことになります。1969年には、当時計画されていた新たな野球リーグであるグローバルリーグへの参加を予定していましたが、残念ながらこのリーグは開幕に至らず消滅してしまいます。この不運な出来事の後、彼は同年秋に近鉄バファローズの練習に参加する機会を得ました。

そして1970年、三宅成幸はドラフト外という形で、念願のプロ野球選手として近鉄バファローズに入団しました。背番号は「46」を与えられ、プロの世界での飛躍が期待されました。しかし、プロ入り2年目の1971年、オープン戦でのアクシデントが彼の選手生活を大きく左右します。試合中に左手首をスパイクされ、選手生命に関わるほどの大けがを負ってしまったのです。この怪我の影響は大きく、翌1972年には選手としてプレーしながらも、用具係を兼任するという異例の状況となりました。結局、一軍の公式戦に出場することなく、1973年に現役を引退することを決断しました。わずか数年という短い選手生活でしたが、そのキャリアは不運な怪我によって早期に幕を閉じることとなりました。

選手としての道を断たれた後、三宅は野球への情熱を失うことなく、裏方としてチームを支える道を選びます。現役引退した1973年から、球団がオリックス・バファローズと合併する2004年まで、実に33年もの長きにわたり、近鉄バファローズの用具係を務めました。彼はチームの道具を管理し、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう陰ながらサポートし続けました。近鉄の低迷期や、歴史的なリーグ優勝など、球団の栄枯盛衰を最も間近で見守り、チームを支えた功労者の一人と言えるでしょう。

近鉄バファローズの消滅後、三宅のプロ野球界でのキャリアは終わりませんでした。2005年からは、東北地方に新たに誕生したプロ野球球団、東北楽天ゴールデンイーグルスに移籍し、ここでも用具係としてチームを支えました。新規参入球団の立ち上げという新たな環境で、その豊富な経験を活かし、チームの基盤作りに貢献しました。楽天には2009年シーズン限りで退団するまで、約5年間在籍しました。

プロ野球界を離れた後も、野球への関心は衰えることはありませんでした。2016年には学生野球資格回復のための研修を受講し、翌2017年2月7日には日本学生野球協会から適性認定を受けました。これにより、高校生や大学生といった学生野球の選手たちを指導することが可能となり、自身の豊富な経験を次世代の育成に活かせる道が開かれました。

三宅成幸は、選手としては短命に終わったものの、プロ野球の裏方として30年以上にわたりチームを支え続けた、文字通りの「縁の下の力持ち」でした。そのキャリアは、怪我やリーグ消滅といった不運に見舞われながらも、野球への情熱を持ち続け、様々な形で球界に貢献し続けた人物の軌跡を示しています。

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