三宅理一

三宅 理一（みやけ りいち）

概要

三宅理一（1948年12月23日生まれ）は、日本の著名な建築史家であり、東京理科大学の客員教授として活躍しています。主に近世および近代の建築都市史に関する研究を行い、世界各地での遺産保護や都市計画、デザイン振興の活動に取り組んでいます。

来歴

東京で生まれ、北海道で成長した三宅は、1972年に東京大学の工学部で建築学を学び、同大学院を修了後、フランスへ留学しました。1979年にはパリ・エコール・デ・ボザールを卒業し、1981年に東京大学から工学博士号を取得しました。彼は芝浦工業大学にて助教授、教授を務め、その後リエージュ大学や慶應義塾大学、さらにフランス国立工芸院での講師活動も経験しました。2010年には藤女子大学の教授に就任し、副学長も務めています。

研究業績

彼の研究は建築史にとどまらず、世界各地の遺産保護や歴史的都市の保存に重点を置いています。特に、東方正教系の修道院の保存活動に力を入れており、アジアやアフリカの歴史都市の保護にも関与しています。国内においても地域資源を活用した街づくりや環境整備のプロジェクトを推進しています。これらの功績により、彼は中国・瀋陽市から栄誉市民の称号を与えられ、フランス政府からは教育・学術功労勲章オフィシエ等級を受賞しています。また、ルーマニアやエチオピアにおける修復事業でも外務大臣から表彰を受けています。

展覧会活動

三宅は展覧会のキュレーターやディレクターとしても影響力を発揮しています。彼が関わった展示には、パリ・ポンピドーセンターでの『Japon des avant-gardes』、パリ装飾美術館での『In-spiration』、ユーロパリア・ブリュッセルでの『Transfiguration』などがあります。これらの展覧会は国際的な注目を集め、建築とアートを融合させる重要な役割を果たしました。

教育者としての影響

三宅が指導した多くの学生たちは、建築界で成功を収めています。彼の研究室に学んだOB/OGには、著名な建築家やデザイナー、写真家が名を連ねており、その影響力は広範囲に及びます。

主な著作

三宅は多くの著書を出版しており、特に『フランス建築事情』（1979年）、『世紀末建築』全6巻（1983-84年）、『愛の建築譚』（1985年）、『都市と建築コンペティション』（1990-1992年）などが評価されています。彼の著作は、建築と歴史、文化の融合を探求する上で貴重な資料となっています。

まとめ

三宅理一は、建築史研究だけでなく、国際的な文化交流や都市計画の分野でも多大な貢献をしています。彼の多岐にわたる活動と研究は、今後の建築界においても大きな影響を与え続けるでしょう。

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