三日月とネコ

『三日月とネコ』

概要

『三日月とネコ』は、ウオズミアミによる漫画作品で、全4巻が発行されています。2018年4月30日からウェブコミック投稿サイト「マンガハック」での掲載が始まり、その後の高い人気に応じて2020年から2022年にかけて、『Cocohana』（集英社）にて連載されました。作品の発売後、短期間で続刊が出るか打ち切りかが決まる日本の出版事情を反映し、クラウドファンディングを通じて広告費用を集める措置も注目を集めました。2018年には、マガジンハウス社の誌上で実施された「第1回anan猫マンガ大賞」を受賞しました。作者のウオズミは熊本県出身であり、この作品は熊本市を舞台として描かれています。

あらすじ

物語は、熊本地震で家を失った主人公・戸馳灯が、自分の愛猫「まゆげ」とともに避難するところから始まります。避難先のマンションで出会った同じ住人の三角鹿乃子と波多浦仁との交流を通じて、心の支えを見つけていく様子が描かれます。灯は「まゆげ」を失った悲しみを抱え、仁は自身の問題を抱えつつマンションを出ようと考えていますが、鹿乃子が提案する形で、異なる年齢や性的指向を持つ3人と1匹の猫による共同生活が始まります。

第1話では、灯が書店で女子高生から「オバサン」と呼ばれる場面が描かれ、彼女は自身の成長や人生に対する不安を吐露します。それに対して仁は共感を示しますが、鹿乃子は「人生は最後まで満ちていくものだから、心配しなくて良い」と明るく励ます姿が印象的です。このように、彼らの対話を通じて異なる価値観に触れあいながら、少しずつお互いの心に寄り添っていく様子が本作の魅力となっています。

登場キャラクター

• - 戸馳灯（とばせ あかり）: 44歳の書店員。地震による影響で心に傷を抱えながら、猫の存在に癒しを見出します。
• - 三角鹿乃子（みすみ かのこ）: 35歳の精神科医で、同性の恋人がいます。思いやりにあふれた性格で、周囲を明るくします。
• - 波多浦仁（はたうら じん）: 29歳のパンセクシャル青年。インテリアショップで働き、猫たちと良い関係を築いています。
• - ミカヅキ: 鹿乃子の飼い猫。物語の重要な存在として、3人の心の支えに。
• - フー、ギー: 仁が引き取った子猫たちです。

書誌情報

本作は、徳間書店と集英社から出版されており、集英社からは2020年から2021年にかけて全4巻がリリースされました。

映画化

『三日月とネコ』は2023年8月28日に実写映画化が発表され、2024年5月24日より劇場公開予定です。監督・脚本は上村奈帆、主演には安達祐実、倉科カナ、渡邊圭祐が名を連ねています。

キャストとスタッフ

キャストには、主人公の灯役に安達祐実、鹿乃子役に倉科カナ、仁役に渡邊圭祐が選ばれています。また、映画の音楽や脚本、監督など、さまざまなスタッフが作品の制作に関わっており、高い期待を寄せられています。

『三日月とネコ』は、猫と人間の心温まる絆を描いた物語であり、読者や観客に愛されています。

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