三木亘

三木亘について

三木亘（みき わたる、1925年10月24日 - 2016年9月4日）は、日本を代表する歴史学者であり、中東学者でもあります。彼は慶應義塾大学で名誉教授として教鞭を執り、その専門は中東における歴史生態学や民族生薬学、さらには世界史学に及びます。

兵庫県に生まれた三木は、東京大学の文学部西洋史学科を卒業後、東京都内の高等学校で歴史学を教えることから教育者としてのキャリアをスタートさせました。具体的には、東京都立深川高等学校や東京都立大学附属高等学校での教鞭を取り、その後、東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所の教授に就任しました。彼の教育者としての道はその後も続き、慶應義塾大学文学部の教授に着任。1991年に定年を迎えた後は名誉教授となり、さらに静岡精華短期大学で講義を続けました。

三木亘の業績は多岐にわたりますが、特に彼の著作は、その専門領域の研究を深める上で価値あるものばかりです。
主な著書には、1998年に平凡社から刊行された『世界史の第二ラウンドは可能か イスラム世界の視点から』があります。この著書では、イスラム世界を背景に、世界史の再評価について考察しています。また、2013年には『悪としての世界史 中東をめぐって 三木亘著作選』が、2016年には文藝春秋から『悪としての世界史』が出版されました。

三木はまた、多くの共編著や訳書も手がけています。1984年には山形孝夫と共に『イスラム世界の人びと（5）都市民』を刊行し、これはイスラム世界の都市民についての深い洞察を提供しています。さらに、K.M.パニッカルによる『インドの歴史』を坂本徳松と共訳し、1959年に東洋経済新報社から出版しました。こうした訳書は、他の言語からの知識を日本に紹介する重要な役割を果たしたことでも知られています。

論文執筆にも積極的で、国立情報学研究所に収録されている彼の研究成果も多々あり、幅広い知識を持つことが伺えます。その研究活動を通じて、中東に関する理解を深め、日本における中東研究の発展に寄与しました。

三木亘は、その生涯を通じて多くの学生と向き合い、歴史を教えることに情熱を注ぎました。彼の知識と見識は、歴史学の分野のみならず、社会全体に対しても影響を与えてきました。彼の学問的な遺産は、今後の研究者たちによって受け継がれていくことでしょう。その業績は、歴史学、特に中東を含む地域史において重要な基盤を築き、後進の研究を支える道しるべとなっています。

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