三木愛花

三木愛花：新聞記者から将棋界の功労者へ

三木愛花（みき あいか、1861年5月14日 - 1933年2月6日）は、明治から大正時代にかけて活躍した新聞記者であり、ジャーナリストです。本名は三木貞一。千葉県大網白里市（旧上総国大網町）に生まれ、田中従吾軒に師事しました。

三木は「朝野新聞」や「東京公論」といった新聞社で記者として経験を積み、1893年には影響力のある新聞社「萬朝報」に入社。1923年まで同社で活躍しました。

相撲と将棋への深い造詣

三木は相撲に造詣が深く、相撲雑誌への寄稿などを通して、相撲記者の先駆け的存在としても知られています。しかし、三木を特に有名にしたのは、将棋への貢献です。彼は新聞において将棋欄を初めて設けた人物であり、1898年には「萬朝報」で初めて指し将棋の棋譜を掲載しました。

さらに、三木は「萬朝報」において新聞社主催の棋戦を初めて企画・開催しました。1908年9月11日より掲載された「高段名手勝継将棋」は、棋士に初めて対局料が支払われた歴史的な棋戦となりました。この革新的な取り組みは、将棋界の経済基盤を確立する上で重要な一歩となりました。

将棋界への貢献

自身の自宅を拠点に、1908年には将棋雑誌「将棋新報」を創刊し、主筆として雑誌を牽引しました。また、1909年には関根金次郎を中心とした将棋同盟社の設立に尽力し、世話役として将棋界の発展に貢献しました。これらの活動を通して、三木は将棋界における近代化に大きな役割を果たしました。

晩年と没後

晩年は逗子開成中学校で漢文の講師を務め、1932年に退任しました。1933年2月6日、西品川区の自宅で動脈硬化症のため死去しました。

著作とその後

三木愛花は戯文『東都仙洞綺話』などの著作を残しています。彼の功績は、単なる新聞記者としての活動にとどまりません。相撲や将棋への深い理解と情熱、そして新聞というメディアを駆使した先駆的な活動は、日本のスポーツ文化、特に将棋界の発展に多大な影響を与えました。今日、私たちが当たり前のように楽しんでいる新聞における将棋情報や棋戦の存在は、三木愛花の尽力あってこそ生まれたものであると言えるでしょう。 彼の功績は、現代の将棋界に多大な影響を与え続けています。様々な文献資料から彼の生涯と業績が明らかになっており、今後も研究が続けられるでしょう。

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