三浦惺

三浦惺（みうら さとし）は、1944年4月3日生まれ、広島県尾道市出身の日本の実業家です。東京大学法学部を卒業後、日本電信電話公社（現在のNTT）に入社し、長年にわたりNTTグループの要職を歴任しました。

NTT入社後、三浦は人事畑を歩み、1994年に理事人事部長、1996年には取締役人事部長、取締役人事労働部長、1998年には常務取締役人事労働部長などを務めました。これらの役職を通じて、NTTグループの人事・労務戦略を牽引し、組織の活性化に貢献しました。

1999年には、東日本電信電話（NTT東日本）の代表取締役副社長に就任。当時、NTT東西で約10万人が出向・転籍するという大規模な合理化が実施され、三浦はその交渉の最前線に立ち、労働組合との難しい交渉をまとめ上げました。その卓越した交渉力とリーダーシップが、NTTグループの構造改革を成功に導いたと言えるでしょう。

2002年、三浦はNTT（持株会社）の代表取締役社長に就任。2005年には、中期経営戦略推進室長を兼務し、NTTグループ全体の経営戦略を策定・推進しました。そして2007年6月、第6代日本電信電話株式会社社長に就任。事務・労務畑出身の社長として、NTTグループの新たな時代を切り開きました。

社長在任中、三浦はNTTグループの事業拡大と技術革新に尽力しました。次世代ネットワーク（NGN）の構築や、クラウドコンピューティングサービスの展開など、新たな事業領域への進出を積極的に推進し、NTTグループの競争力強化に貢献しました。また、東日本大震災発生時には、通信インフラの復旧に陣頭指揮を執り、被災地の復興を支援しました。

2010年2月には、中央防災会議委員に任命され、国の防災政策にも貢献しました。同年5月には、日本経済団体連合会（経団連）副会長に就任し、経済界の代表として、日本の経済発展に尽力しました。

2012年6月、NTT社長を退任し、取締役会長に就任。その後、2014年には、21世紀政策研究所所長に就任し、日本の未来を担う政策研究に取り組んでいます。

2022年11月3日、秋の叙勲において旭日大綬章を受章。長年にわたる情報通信業界への貢献が認められました。

三浦惺は、NTTグループの経営者として、日本の情報通信業界の発展に大きく貢献しただけでなく、経団連副会長や21世紀政策研究所所長として、日本の経済・社会の発展にも尽力した、まさに日本のリーダーと呼ぶにふさわしい人物です。

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