三浦香

三浦 香（みうら かおり）

日本の舞台芸術界において、脚本家、演出家として精力的に活動を展開する一方、俳優や声優としても多才ぶりを発揮しているのが三浦香です。1979年3月20日、北海道札幌市に生まれた彼女は、玉川大学文学部芸術学科の舞踊・演劇コースで専門的な学びを深めました。現在は自身の劇団「FuncAScamperS 009（ファンカスキャンパーズゼロゼロナイン）」を主宰し、創作活動の拠点としています。

幼少期から演劇に親しみ、7歳の頃には既に札幌のミュージカル劇団で活動を始めていた三浦。学生時代を通じて演技の道に進み、大学在学中の2000年には、自ら劇団「衝突安全ボディー」を立ち上げました。この劇団では、脚本執筆、演出、振付に加え、自身も舞台に立つ役者として、まさに中心的な役割を担いました。

演出家としての才能は早くから注目を集め、2004年には日本演出家協会が主催する「2003年度若手演出家コンクール」において、作・演出部門での優秀賞を受賞。このことは、彼女の演出家としての力量が広く認められた重要な出来事と言えるでしょう。

2007年には、活動の場である劇団を「衝突安全ボディー」から「FuncAScamperS 009」へとリニューアル。新たなスタートを切った劇団でも、引き続き脚本、演出、振付という創作の根幹を担っています。自身の劇団の全作品を手掛ける傍ら、外部の舞台作品にも積極的に参加。その活動範囲は多岐にわたり、特に人気漫画やアニメ、ゲームなどを原作とした、いわゆる2.5次元ミュージカルの分野で数多くの話題作を手掛けています。

代表的な仕事としては、「最遊記歌劇伝」シリーズ、「ミュージカル Dance with Devils」シリーズ、「Club SLAZY」シリーズ、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」シリーズといった人気シリーズ作品で、脚本や演出、作詞などを担当。また、「進撃の巨人」-the Musical- やミュージカル「東京リベンジャーズ」など、近年話題となった大型作品の創作にも深く関わっています。これらの作品において、原作の世界観を舞台上で表現するための脚本構成力や、俳優の魅力を引き出す演出手腕が高く評価されています。その他にも、「テニスの王子様」シリーズでの演出補佐や、特殊ミステリー歌劇「心霊探偵八雲」シリーズでの脚本・演出・作詞など、その活動は広範囲に及びます。

舞台以外でも、テレビドラマの世界でも才能を発揮。「乙男～オトメン～」のスピンオフ企画や、NHK BSプレミアムの「たべものがたり 彼女のこんだて帖」、TOKYO MXの「Club SLAZY Extra invitation」などで脚本を担当し、映像作品においても物語を紡ぐ力を示しました。

さらに、舞台俳優としてのキャリアに加え、声優としても活動しています。テレビアニメでは、「おねがいマイメロディ」シリーズのフラットくん役や飛田の母親役、「シュガシュガルーン」のミカエル役、「妖怪人間ベム」での女子高生役などを担当。映画にも「下妻物語」「オペレッタ狸御殿」「X'smap〜虎とライオンと五人の男〜」といった作品に出演しており、活動領域の広さが伺えます。

脚本、演出、振付、作詞、そして俳優・声優として、表現の可能性を追求し続ける三浦香。自身の劇団での創作活動を軸に、外部の多様な作品にも貢献することで、日本のエンターテインメント業界、特に舞台芸術の発展において重要な役割を果たしています。その多才な才能は、今後の活動にもさらなる期待を抱かせます。

もう一度検索