三田会

三田会とは

三田会は、慶應義塾大学の卒業生を中心とした同窓会組織です。卒業生だけでなく、教職員として在籍した経験を持つ者も入会できる場合があります。名称は、慶應義塾大学の本部キャンパスが東京都港区三田にあることに由来します。

概要

三田会の起源は、1880年（明治13年）5月25日に湯島昌平館で開催された同窓会に遡ります。この会合には約300名が参加し、福澤諭吉や小幡篤次郎が演説を行ったと記録されています。その後、同様の会合が不定期に開催されるようになり、各地で「○○義塾同窓会」と称する会合が頻繁に開かれるようになりました。

大正時代に入ると、同窓会は「三田会」という名称に変わり、地域だけでなく様々な分野における三田会が誕生しました。現在では、日本国内および世界各地に865もの三田会が存在し、約36万人の塾員がこれらの組織に所属しています。島田裕巳氏は、三田会が他大学には見られない強固な団結力を持ち、塾員としての誇りとアイデンティティを生涯に渡って共有する基盤となっていると述べています。

一方で、三田会の結束力の強さは、縁故資本主義として企業や組織に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。慶應義塾評議員会選挙や企業・組織内での塾員の結びつきは時に強固なネットワークとなり、社会に大きな影響を与えることもあります。

1921年（大正10年）には、東京で初めて塾員の交流サロンである「慶應倶楽部」が設立されました。その後、大阪、神戸、京都など全国約10箇所に同様の施設が設けられ、ほとんどが常設の部屋を持っています。各三田会の活動内容や形態は、慶應義塾の機関誌である『三田評論』で頻繁に紹介されています。

帝国ホテル本館の地下には「東京三田倶楽部」があり、犬養毅元首相がよく利用したことで知られています。以下に、主な三田会を紹介します。

各種三田会

年度三田会

いわゆる「同期会」にあたり、同じ年に卒業した塾員で構成されます。大学卒業と同時に入会します。年度三田会最大のイベントは、卒業25年目に卒業式に、50年目に入学式に招待されることです。これにより、慶應義塾を卒業した塾員は、人生で2度入学式と卒業式に参加する機会を得られます。

地域三田会

地域ごとに組織された三田会です。国内に246団体、海外に74団体が存在します。地域ごとの塾員同士の交流を深める役割を担っています。

職域三田会

同じ職種や職場に所属する塾員によって組織される三田会です。三田法曹会、公認会計士三田会、ホテル三田会、歯科三田会、企業ごとの三田会など、多様な職域で活動しています。256団体が存在します。

SFC三田会

湘南藤沢キャンパス (SFC) の卒業生による三田会です。SFCには総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部、政策メディア研究科、健康マネージメント研究科があり、これらの卒業生が卒業と同時に入会します。三田会の中でも最大規模を誇ります。

大蔵三田会

大蔵省（現財務省）の国税局関係者による三田会です。特定の官庁に特化した三田会も存在します。

連合三田会

これら多様な三田会を統括する組織が、連合三田会です。毎年10月頃には、塾員の交流を目的とした連合三田会大会が開催されています。

関連項目

慶應義塾大学の人物一覧
交詢社（会員制社交倶楽部）
銀座BRB（会員制社交倶楽部）
三四会（慶應義塾大学医学部出身者の同窓会）
紅梅会（慶應義塾大学看護医療学部出身者の同窓会）
稲門会及び永楽倶楽部（早稲田大学出身者の同窓会）
学士会（帝国大学出身者の交友倶楽部）
学閥

外部リンク

慶應連合三田会
東京三田倶楽部
大阪慶應倶楽部
会員制・GINZA BRB
* 慶應義塾大学（公式）

三田会は、慶應義塾大学の卒業生にとって非常に重要なコミュニティであり、卒業後も強い絆を保つための基盤となっています。その多様な活動は、塾員としてのアイデンティティを形成し、生涯にわたる交流を促進します。

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