三神八四郎

三神八四郎について

三神八四郎（みかみはちしろう、1887年2月28日 - 1919年12月7日）は、日本のテニス界において重要な役割を果たした選手です。彼は山梨県中巨摩郡大鎌田村（現・甲府市）に生まれ、多くの兄弟姉妹の中で育ちました。特に、彼の名前の「八四郎」は、家族の中で四番目の男の子であることに由来しています。彼の父は豪族であり、甲府電灯会社を創設した三神有長で、後に東京電力が合併します。

彼は早稲田中学校（現・早稲田高等学校）から早稲田大学に進学し、大学では庭球部の中心選手として活躍しました。特に彼は副将や大将として試合に出場し、チームの成績に大きく貢献しました。卒業後、彼は米国シカゴ大学に留学し、そこで硬式テニスを学びました。1912年、彼は日本初の硬球採用論を雑誌『武侠世界』にて提唱し、この論文は大きな反響を呼びました。

1915年に日本に帰国した彼は、1916年に行われたマニラの東洋選手権大会においてシングルスでベスト4、そしてダブルスで準優勝という成績を収めました。その年、彼は熊谷一弥と共にアメリカ遠征を行い、全米選手権にも出場。三神は男子シングルスの1回戦で名選手ウィリアム・クローシャーに敗退しましたが、日本人テニス選手として初めての大舞台での挑戦となりました。

1917年には芝浦で行われた第3回極東選手権競技大会に出場し、熊谷とのダブルスで優勝しました。この成功を背景に、大阪に「大阪ローンテニスクラブ」を設立し、硬式テニスの普及活動にも力を入れました。1919年にはマニラで開催された第4回極東選手権大会でシングルス優勝を果たしますが、同年にフィリピンでの農業計画中に落馬し、命を落としました。

彼の墓は甲府市の東光寺にあり、生前の功績を讃えるために、彼の遺産は母校の早稲田大学に寄付されました。この寄付を基に「三神記念コート」が整備され、彼の名前は永遠に残されています。

三神の死後、早稲田大学テニス部は硬式テニスへの取り組みを強化し、彼の名声を受け継ぐ選手たちが続々と登場しました。彼は日本における硬式テニスの先駆者であり、多くの後進に影響を与えた偉大な選手です。彼の遺志を受け継ぎ、今後もテニスの魅力が広がることを願っています。

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