三神泉

三神泉博士について

三神泉（みかみ いずみ）氏は、1955年3月9日生まれの日本の著名な技術者であり、特に宇宙望遠鏡の開発において重要な役割を果たしてきました。工学博士である彼のキャリアは、数々の先進的なプロジェクトを通じて形成され、その中でも特にすばる望遠鏡の開発が際立っています。

すばる望遠鏡の開発

1988年から2001年にかけて、三神氏はすばる望遠鏡の設計と建造において約13年の歳月を費やしました。この望遠鏡は、当時世界最大の有効口径8.2ｍを誇り、多くの技術的チャレンジを克服する必要がありました。彼は、主鏡の支持システムにおいて、261本のアクチュエータを駆使した制御系の開発に貢献しました。このシステムは、観測精度を高めるために、異なる駆動系間の干渉を最小限に抑えることが求められました。さらに、主鏡の熱変形を軽減するための最適配置アルゴリズムの開発や、風や内部発熱による揺れを軽減するための楕円形ドームの設計などがその技術的貢献の一環となっています。

また、三神氏は、すばる望遠鏡の完成後もハワイ島にて保守運用を行い、望遠鏡が円滑に引き渡されるように体制を整えました。特に1996年には、マウナケア山頂でのドーム建造中に発生した火災事故後の復旧作業でも大きな役割を果たし、現地での工事や訴訟対策を指揮しました。

その他の業績

三神博士はすばる望遠鏡以外にも多くのプロジェクトに関わりました。その中には、西はりま天文台2メートル望遠鏡「なゆた」、ひので衛星に搭載された0.5メートルの太陽観測宇宙望遠鏡「SOLAR-B」、阪大レーザー核融合実験システム「FIRE-X」、宇宙太陽光発電システムなどが含まれます。これらのプロジェクトは、彼の幅広い技術的知識と応用力を示しています。

略歴と表彰

宮城県美里町で生まれた三神氏は、宮城県古川高等学校を卒業後、1978年に東北大学の工学部で機械工学を学びました。卒業後は三菱電機に入社し、様々な役職を経て、1997年にはすばる望遠鏡プロジェクトの部長に就任しました。2006年には京都大学から工学の博士号を取得し、その後も多くの専門機関で重要な役職を担いました。

彼の業績は広く認められ、多数の表彰歴があります。2000年には全国発明表彰恩賜発明賞を、2008年には計測自動制御学会技術賞や紫綬褒章を受章し、同年には秋の園遊会にも招かれました。

趣味と活動

三神泉博士はその多忙な仕事の傍らで、料理やトランペット演奏を楽しんでいる趣味人でもあります。技術者としての精力的な活動に加え、これらの趣味により、彼の生活は豊かに彩られています。

その知識と経験は多くの後進に受け継がれ、今後の技術発展に寄与し続けることでしょう。

もう一度検索