三笑亭可楽 (7代目)

七代目 三笑亭 可楽（さんしょうてい からく）

七代目三笑亭可楽は、落語の世界で特に注目される落語家の一人です。彼は1886年に東京の京橋で生まれ、本名は玉井長之助です。可楽は「玉井の可楽」という通称で知られ、落語の伝統を受け継ぎながら自身のスタイルを確立しました。

経歴

可楽は12歳の時に銀座の時計屋に奉公に出て、ここで天狗連に没頭するようになりました。落語家としての第一歩は1907年、2代目談洲楼燕枝の弟子としての入門から始まります。彼は「燕福」と名乗り、技を磨きながら1908年10月には柳亭燕玉として二つ目に昇進。その後、1911年には柳亭傳枝に改名し、さらに1916年には5代目桂才賀として真打に昇格しました。

1918年5月には桂文鶴となり、同年12月には春亭文枝と改名。彼の腕前は徐々に上達しつつあったものの、一般受けには恵まれず、1922年には5代目柳亭左楽門下で柳亭小左楽と名乗りました。1926年には一時滝亭鯉昇と称し、同年11月には7代目可楽の襲名を果たしました。

しかし、可楽の名声は長らく得られず、1935年から東宝名人会に招待されるも、依然として目立った成功は得られませんでした。転機が訪れたのは、1938年から「可楽を聴く会」を開始したことです。この定期的な家のイベントでは、可楽のユーモアや話術が際立ち、評価が高まりました。

可楽の生涯は1944年4月12日、酔った勢いで自宅の階段から転落する不慮の事故で幕を閉じました。その享年は58歳でした。彼の墓所は台東区の明順寺にあります。

芸風・人物像

可楽の芸風は、尊敬する3代目柳家小さんから多大な影響を受けており、特に『粗惣長屋』『笠碁』『うどんや』『睨み返し』『千早ふる』『御慶』『意地くらべ』『猫久』などのネタを多く演じました。彼の芸質は小さんに非常に似ており、周囲からは「小さんの影法師」と評されることもありました。

可楽は俳句と入浴を趣味としており、落語家の句会の宗匠を務めるほどの腕前を持っていました。また、文学的なセンスも持ち合わせており、その風雅な面が彼のパフォーマンスにも反映されていました。近所に住む安藤鶴夫と親しい関係を保ち、彼との交流も彼の人生において重要な要素でした。

まとめ

七代目三笑亭可楽は、落語界における重要な存在であり、その芸風と人柄は多くの人々に影響を与えました。彼の人生は、落語文化の中での模索と発展の物語でもあり、今なお多くの落語ファンに愛され続けています。

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