三脚

三脚について

三脚（さんきゃく、Tripod）は、三本の脚を持つ台で、主にカメラやさまざまな光学機器の安定した設置のために使用されます。一般的に、三脚はその用途に応じて分類され、カメラ用、ムービーカメラ用、天体観測用など種類が豊富です。

カメラ用三脚

カメラ用三脚には、スチルカメラやムービーカメラ用のものがあります。スチルカメラ用の三脚は、多くの場合、脚が丸型または角型のパイプで構成されており、2段から5段に調整可能です。高さを調整する際に脚ごとに延長するのが手間であるため、クランク式のエレベーター機構を備えたタイプが広く使われています。また、用途に応じて雲台（ヘッド）を簡単に交換できるようになっています。

スチルカメラ用の三脚は、重量のあるカメラや望遠レンズに耐えられるように設計されており、旅行用の小型タイプも存在します。旅行用のものは、エレベーターを省き、固定雲台が一般的です。素材には、プラスチックやアルミニウム合金が使われていますが、大型のものでは炭素繊維強化プラスチックやマグネシウム合金も使用されています。また、安定性を求めるなら、鉄製の三脚も候補になります。

三脚を使うことで、意図的にシャッター速度を遅くする撮影や、長時間露出を必要とする夜景や天体写真の撮影が可能になりますが、人混みではその使用が制限されることもあります。そんな場合には、一脚を使うことが推奨されます。

カメラに取り付けるためのねじは、ISO 1222やJIS B 7103に準拠しており、一般的には1/4-20UNCの規格が使われています。

ムービーカメラ用三脚

ムービーカメラ用の三脚は、スチルカメラ用のものと類似していますが、重さと剛性を高めた仕様が特徴です。ドイツのザハトラーや日本のリーベックなど、専業メーカーも存在します。ムービーカメラの三脚では、センターポールがなく、「ボールレベラー」が用いられることが多いです。また、脚部が「ダブルシャンク」と呼ばれる構造になっているため、安定性が向上します。

雲台はクイックシューに対応し、スムーズな動作を実現します。スチル用に比べ、位置調整が簡単で、緩やかな動きを実現するためのフルードが内部に封入されていることも特徴です。テレビのスタジオでは、移動可能なキャスター付き三脚をドリーと呼び、大型台のことをペデスタルといいます。

その他の用途

三脚は、カメラ以外にも光学機器の安定した保持のために使用されます。例えば、天体観測の望遠鏡や測量器具のトランシットなども三脚を利用します。特に天体望遠鏡の場合は、剛性が求められるため、調整のできない固定型の三脚が選ばれることもあります。

実験器具として使用される三脚は、金属製で上部が輪の形になっており、化学実験でフラスコを支えながら加熱する際などに利用されます。これらはより安定した基礎を提供します。

軍事用途

軍事においては、銃架や砲架として使われ、重い兵器を地面にしっかりと設置するために用いられます。三脚は重いため、移動には不向きですが、精度を高めるためには使用されます。射撃時には、二脚よりも三脚で支持した方が安定性と精度が向上します。

まとめ

三脚は、多範な分野で必要不可欠な道具であり、さまざまな目的に応じて多様なデザインが存在します。撮影技術の向上や実験の精度を高めるなど、三脚の特性を理解し根本から利用することで、より高度な結果を得ることができるでしょう。

もう一度検索