三菱ふそう・ザ・グレート

ザ・グレート（The Great）

ザ・グレートは、三菱自動車工業（現:三菱ふそうトラック・バス）が1983年から2001年にかけて製造した大型トラックです。このモデルは、当初のFシリーズのフルモデルチェンジ時に登場し、1996年に後継のスーパーグレートが登場するまで、長らく大型車として君臨していました。特に注目すべきは、その多様な派生バージョンで、特型警備車や大型放水車を始め、様々な用途の特車両の基盤として広く使用されている点です。

歴史

1983年7月に初めて登場したザ・グレートは、同年に発表されたファイターやキャンターのデザインコンセプトにも影響を与えました。その特徴的なヘッドライトは、異型角型の2灯式を採用していましたが、一部の輸出向け仕様や特殊車両には丸目の4灯式が装備されていました。さらに、エンジンのワンキー操作やステアリングロックが導入され、バッテリーのリレースイッチは廃止されるなど、使い勝手も向上しました。

初期のモデルから、1983年9月には8tセミトラクタP-FP418DR系が追加され、その後も続々と新機能や型式が発表されました。1986年7月にはマイナーチェンジが行われ、グリルの大型化や新しいエンジンも導入されました。1993年には大規模なビッグマイナーチェンジが実施され、現代的なデザインに刷新されました。この時期、プロジェクターヘッドライトが装備され、インパネのデザインも一新されました。

ラインナップとバリエーション

ザ・グレートには多様なラインナップがあり、それぞれの型式によって異なる特性があります。例えば、FP型は前1軸後1軸の4×2トラッグを含み、FP-R型はセミトラクタ仕様です。FS型は前2軸後2軸の8×4仕様で、FT型は前2軸後1軸の6×2トラックとなっています。また、特に警察用や消防用の特殊車両では、FV型のデフ版や低床版FN型など、多くの派生車両が存在します。さらに、除雪車用のFR、FW、FX型もあり、それぞれ特定の用途に特化した設計が施されています。

ザ・グレートに搭載されるエンジンは多様で、外観による識別も一部可能です。シュノーケルの配置によってもエンジンの型式が分かれることがあり、地方や用途に応じて多彩な構成があることがわかります。

モータースポーツでの活躍

ザ・グレートはモータースポーツの世界でもその名を馳せました。1997年のパリ・ダカールラリーでは、カミオンクラスに参加し、全車完走を果たしました。特にゼッケン406番の1号車は5位入賞という素晴らしい結果を残しました。この結果は、その堅牢な作りと優れた性能を証明するものとなりました。

終焉とその後

2001年には、構内専用車の製造が終了し、ザ・グレートはその役目を終えました。その後、スーパーグレートが後継モデルとして登場し、技術やデザインは新たな進展を見せていますが、ザ・グレートの歴史は今でも多くのファンに愛され続けています。

関連項目

ザ・グレートは三菱ふそうの重要なモデルの一つであり、他の三菱車両とともに、日本のトラック業界に大きな影響を与えています。

もう一度検索