三菱ふそう・6R系エンジン

三菱ふそう・6R系エンジンの詳細

三菱ふそうの6R系エンジンは、主にトラックとバスに使用される直列6気筒のディーゼルエンジンで、DOHC24バルブ設計が特徴です。特に注目すべきは、このエンジンがダイムラー・トラックグループの開発に基づく「Heavy-Duty Engine Platform（HDEP）」であることです。このプラットフォームは、メルセデス・ベンツ、三菱ふそう、デトロイトディーゼルの3社が共同開発したもので、各地域の自動車排出ガス規制に適した市販エンジン群を提供しています。

HDEPの概要

HDEPは、直列6気筒エンジンを4種類用意し、各タイプの基本設計は共通していますが、ボアピッチが異なるため、部品の共用率は90%に達します。このエンジン群は水冷の4ストローク、直接噴射式、インタークーラーターボ付きで設計されています。また、エンジンの剛性を高めることで高い筒内圧力にも対応しており、その結果として従来型に比べて重量が増加しています。さらに、将来的に可変バルブタイミング（VVT）が採用されることを考慮してDOHCが採用されています。

HDEPの最大の革新の一つは、高効率を実現するためのターボコンパウンド技術の導入です。特に15Lおよび16Lクラスのエンジンはこの技術を用いて排熱回収を行い、燃費向上を図っています。環境に配慮した設計として、最大2500barの噴射圧を持つボッシュ製コモンレールシステム「X-Pulse」や、大容量のEGRクーラー、尿素SCRとDPFを組み合わせた「BlueTecシステム」が採用されており、国際的な排出ガス規制に適合しています。

6R10型・6R30型エンジン

三菱ふそうの6R10型および6R30型エンジンは、HDEPの13L級を基に独自に設計されています。特に吸排気系やオイルパンは日本専用設計が施されています。6R10型は第1・第2世代であり、6R30型は第3世代に該当します。

これらのエンジンは過給器にVGターボを用いていたが、2014年からはアシンメトリックターボに切り替えられました。エンジン内の構造は、日本の他のモデルと同様にコストを重視した設計となっており、コンロッドの形状やクランクキャップの固定方法にも工夫が講じられています。これにより、最大出力は350から520PSと幅広い範囲を持ちます。2010年には大型トラック「スーパーグレート」に搭載され、その後大型観光バス「エアロエース」にも採用されました。

6R20型エンジン

6R20型エンジンは、11L級HDEPをベースに設計され、最新の排出ガス規制に対応しています。既存の6R10型に比べ、排気量で2.2L、重さで170kgのダウンサイジングが行われており、これにより効率性が一層向上しています。アシンメトリックターボも採用され、第二世代のコモンレールシステムによって最大圧力が250MPaに向上しました。

結論

三菱ふそうの6R系エンジンは、高度な技術と環境への配慮を凝縮したエンジンであり、商用車としての性能を大幅に引き上げています。自動車業界の厳しい規制に対応するための進化は、今後も期待される部分です。各モデルのバリエーションが豊富で、ユーザーのニーズに応じた選択肢を提供している点も大きな魅力です。これからの発展も注視したいところです。

もう一度検索