三菱・6G7型エンジン

三菱・6G7型エンジンの詳細

三菱自動車工業が1986年6月から2021年8月まで生産していた6G7型エンジンは、V型6気筒エンジンのシリーズであり、特にサイクロンV6という愛称で知られています。このエンジンは、特に排気量のバリエーションが豊かで、2.0リットルから3.8リットルまでの5種類がラインアップされています。頑強な鋳鉄製シリンダーブロックは、ニードルベアリングを使用したローラーロッカーアーム駆動のSOHCまたはDOHCのアルミ合金製ヘッドと組み合わされており、優れた耐久性を誇ります。

エンジン設計とスペック

6G7型エンジンは、様々な仕様に応じて異なる設計が施されているのが特徴です。SOHC仕様は1986年から1989年にかけて、吸気および排気それぞれ1バルブの12バルブで展開されており、特にMCA-JETバルブが搭載されたモデルも存在しました。1990年代からは、より高効率なDOHCエンジンへの移行が進みました。2020年の時点では、日本国外向けの4代目パジェロ用の3.8 L 6G75型エンジンが製造されていましたが、2021年のパジェロ生産終了により、6G7型エンジンの製造も終息を迎えました。

エンジンバリエーション

6G71エンジン

1986年に6G72と共にデビューした6G71は、豪華サルーン向けのエンジンとして展開され、スーパーチャージャー付きモデルも存在しました。しかし、自然吸気（NA）エンジンの非力さと重い鋳鉄製ブロックが難点となり、1992年以降はより軽量な6A12エンジンに取って代わられました。

• - 仕様: 排気量1998cc, ボア74.7mm, ストローク76.0mm, 圧縮比8.9:1
• - 出力: 最大105 PS（1986 - 1989）、120 PS（1989 -）
• - トルク: 最大16.1 kg⋅m〜17.5 kg⋅m

6G72エンジン

6G72は初代ディアマンテに搭載され、排気量が3.0 Lにボアアップされました。このエンジンは、DOHC仕様やツインターボ仕様など多様なバリエーションがあり、90年代のパワー戦争で三菱を代表する存在として記憶されています。

• - 仕様: 排気量2972cc, ボア91.1mm, SOHC
• - 出力: 最大155 PS〜185 PS

6G73エンジン

1990年の初代ディアマンテと共に登場した6G73は、6G72をベースにボアダウンして2.5 Lモデルも製造されました。特にSOHC 24バルブモデルには、スペース効率を考慮した設計がされています。

• - 排気量: 2497cc
• - 出力: 最大175 PS

6G74エンジン

6G74は1993年に登場した3.5 Lエンジンで、強力な出力を特徴とし、DOHCやSOHCなど異なる仕様があります。

• - 出力: 最大208 PS〜240 PS

6G75エンジン

最後に、6G75はまた、とても信頼性が高いエンジンで、主に海外のモデルに使用された3.8 Lのエンジンです。このエンジンも高い出力性能を誇ります。

• - 排気量: 3828cc
• - 出力: 最大210 PS〜263 PS

総括

三菱・6G7型エンジンは、その高度な技術と設計によって、30年以上にわたり多くのモデルに搭載され続けました。各仕様が異なるニーズに応じて設計されており、特に高出力モデルは他社製エンジンと比較しても遜色ない性能を発揮しました。特に、スーパーチャージャーやターボ仕様のエンジンは、つねに高いパフォーマンスを求めるユーザーに支持されてきました。

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