三菱仲13号館

三菱仲13号館の歴史

三菱仲13号館（みつびしなかじゅうさんごうかん）は、東京都千代田区丸の内にかつて存在したオフィスビルです。この建物は、三菱合資会社が大地主としての地位を利用し、地域におけるオフィス需要の高まりに応える形で建設されました。建築は1915年（大正4年）に始まり、1917年（大正6年）1月に無事竣工しました。

当初このビルは三菱第24号館という名称を持っており、地上3階、地下1階から成る鉄筋コンクリート造の構造でした。その延床面積は754坪で、当時の丸の内地区の新しいオフィスビルの一つとして計画されました。設計や内部機能に関する詳細は記録に残されていませんが、当時の技術を駆使したモダンなデザインであったと推測されます。

しかし、1960年代に入ると、丸の内地域のオフィス需要は急速に伸び、それに伴い供給不足が顕在化しました。このため、当ビルを所有していた三菱地所は、需要に応えるべくより大規模なオフィスビルへの建て替えを決定しました。1961年には三菱仲13号館、同じく隣接した三菱仲13号館別館および三菱仲15号館とともに解体されました。

三菱仲13号館の跡地には、三菱電機ビルヂング（現・丸の内仲通りビル）が建設されることとなり、当該地区の景観は大きく変わりました。この新たなビルもまた、丸の内地域におけるオフィスの需要に応える拠点として機能しています。

三菱仲13号館の歴史は、当時の社会状況や都市の発展と密接に関連しており、その解体は丸の内におけるオフィスビルの進化の一端を象徴しています。今ではその姿は消えていますが、当ビルは丸の内の発展史において重要な役割を果たした建物であり、地域の変遷を伝える貴重な存在であったと言えるでしょう。今後も、この地の歴史に思いを馳せることで、看取られた建物や地域のストーリーを感じることができるのではないでしょうか。

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