三菱水島病院

三菱水島病院の歴史と概要

三菱水島病院は、岡山県倉敷市の水島地区に位置していた民間の医療機関で、1946年に設立され、2009年3月31日に廃止されました。この病院は、三菱自動車工業株式会社の設置によるものであり、長い歴史の中で地域住民の健康を支えました。

設立背景

三菱水島病院の前身は、1942年に設立された三菱重工業水島航空機製作所の付属診療所です。この診療所は、工場で働く従業員やその家族のために医療を提供していました。1946年には病院としての体制を整え、「三菱水島病院」と改称されました。当初の病床数は62床でしたが、後に117床まで増設されることとなります。

診療科とサービス

病院では内科や外科はもちろん、産婦人科や小児科に特に力を入れており、母子周産期センターを併設していました。また、高齢化に伴い、リハビリテーションやデイケアサービスも充実させていきました。多くの患者が地域住民であり、2007年には70%が地域からの訪問者でした。

経営の変遷

病院は三菱自動車の経営環境に影響され、特に近年は診療報酬の改定や医師の確保が難しくなったことが運営に重くのしかかりました。こうしたさまざまな理由から、2009年に病院は廃止されることとなりました。67年の歴史の中で、地域医療に対する貢献は大きいものでした。

廃止後の利用

病院が廃止された後も、建物自体は存続しました。三菱自動車は、この施設を利用して、同社の製造する電気自動車「i-MiEV」のための電池部品の組立工場にリニューアルする計画を打ち出しました。これにより生産コストの圧縮と作業効率の向上を目指しました。

アクセス

水島水島病院へのアクセスも便利でした。水島臨海鉄道の水島駅からは徒歩で約5分の距離にあり、両備バスも運行されていました。多くの患者がアクセスしやすい立地にあったことは、施設の利用促進に繋がりました。

地元との関係

病院の歴史には、地域住民との密接な関係を築き上げたことがあり、地元出身の著名人も多く誕生しました。例えば、歌手の中西圭三さんはこの病院で誕生し、その名に病院の頭文字や、誕生日にちなんだ意味を込められています。

このように、三菱水島病院は地域医療を支え、地域社会に重要な役割を果たしてきた病院でした。その歴史は地域に深く刻まれています。

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