三菱-シコルスキー S-61

三菱 S-61 概要

三菱 S-61は、アメリカのシコルスキー S-61を基に、三菱重工業がライセンス生産したヘリコプターです。主に海上自衛隊で使用され、哨戒ヘリコプターの名称はHSS-2（その後のバージョンはHSS-2A、HSS-2B）として親しまれました。1964年から2003年までの間に、計167機が運用され、その高い多用途性と性能で評価を受けました。さらに、救難活動や南極観測支援としても積極的に利用されました。

来歴

海上自衛隊は、昭和31年度からヘリコプターの運用を開始し、最初はベル47Dなどの機種を導入しました。1961年の国防会議では、ヘリ空母の建造が計画され、その運用機にHSS-2が選ばれました。また、アメリカ政府の支援も得て、ライセンス生産が進められました。1964年に初号機が納入されると、続々と配備が進みました。

HSS-2/2A型

HSS-2の初号機は、アメリカのシコルスキー社製で、海上自衛隊に納入されたゆえに、日本国内での組み立てが行われました。HSS-2は多くの最新技術が盛り込まれ、主に対潜戦に特化した機体として設計されました。エンジンにはCT58-IHI-110-2が搭載され、様々なセンサーも装備されていました。その後、国産エンジンが導入されたことで生産効率が向上しました。

HSS-2B型

1960年代後半、対潜戦の要求が高まる中で開発されたHSS-2Bは、HSS-2を改良した型です。新たに国産のソナーやレーダーが搭載され、多機能化が進められました。1980年には部隊使用が承認され、84機が調達された。しかし、その後もアメリカ製品に依存する部分が多く、国産化率は思うように進まなかったため、1990年代前半には次世代ヘリの必要性が高まることになりました。

S-61A型

南極観測支援ヘリコプターとして開発されたS-61Aは、HSS-2に似た設計がなされ、対潜装備が取り除かれました。改造を施し合計7機が運用されました。2008年までに全機が退役しました。

救難ヘリコプター

海上自衛隊では、初の救難機としてHSS-2を採用し、1976年から1982年にかけてさらなる機体が導入されました。特にHSS-2Bに準じた設計が施され、機能が強化されました。全機は2001年まで現役で使用されました。

映画とメディアでの登場

HSS-2Bは、ゴジラシリーズや漫画『空母いぶき』に登場し、存在感を示しました。その活躍は、多くの観客に印象を与えました。

終わりに

三菱 S-61は、海上自衛隊の水上戦力を支える重要な役割を果たし、日本の安全保障に大きく寄与しました。また、航空技術や防衛力の発展の一端を担ったことから、現在のヘリコプター運用の基盤を築きました。

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