三谷隆信

三谷 隆信（みたに たかのぶ）

三谷隆信は1892年6月17日、京都府与謝郡弓木村（現在の与謝野町）に生まれました。父は横浜で生糸商を営んでいた三谷宗兵衛で、家族の中でも特に教育を重視されて育ちました。彼は京都府立第四中学校や第一高等学校を経て、1917年に東京帝国大学法科大学を卒業し、内務省に入省しました。

その後、1919年には広島県沼隈郡長に就任し、外務省に転職。そこで大使館三等書記官や条約局第三課長、さらには大臣官房人事課長、在フランス国大使館の一等書記官や参事官条約局長を歴任しました。彼のキャリアは不断の努力と経験の積み重ねによって形成されました。

1938年には外務省文化事業部長に就任し、1940年にはスイス大使、その後1942年にはフランス大使として重要な外交的役割を果たしましたが、1946年に退官しました。退官後は学習院女子部長を務め、1948年には宮内庁侍従長となり、1953年には皇太子海外訪問の随員をつとめました。

1965年に退任するまで、彼は昭和の日本における官僚制度と外交に深く関与し続けました。

文献

三谷隆信の人生や職歴は、彼自身が執筆した『回顧録 侍従長の昭和史』や、改訂新編『侍従長回顧録』に詳細に記されています。これらの著作は彼の欧州赴任から東宮随行に至る歴史的な視点を提供し、さらに『臣下の大戦』や『侍従長の昭和史』にも三谷の経歴が取り上げられています。

私生活と家族

信仰はキリスト教を持ち、趣味はゴルフや古典文学の読書でした。彼は初代宮内庁長官の田島道治と旧知で、新渡戸稲造および内村鑑三の門下生でもありました。三谷隆信の墓所は多磨霊園に位置しており、彼の生涯をしのぶ人々にとって重要な場所となっています。

彼の家族には、異父兄の長谷川伸（作家）、兄の三谷隆正（法学者）、妻の李枝子（教育者・政治家の長尾半平の娘）などがいます。長男の信は三島由紀夫の親友であり、長女の邦子は外交官の子息に嫁ぎました。三女の正子は日産コンツェルン創始者の孫に嫁いでおり、美智子皇后の親友という特異な関係がありました。孫には参議院議員の浅尾慶一郎がいます。

栄典

三谷隆信は、1940年に紀元二千六百年祝典記念章を受章し、外国勲章の佩用が許可されています。特にハンガリー王国からはメリット・オングロアーズ勲章の星章付スゴンドクラスを受け取っています。こうした背景から、彼は多方面での貢献が評価されています。

三谷隆信の豊かな人生と業績は、日本の近代歴史において重要な一ページを形成しており、彼の生涯を振り返ることは、歴史的な教訓を見出す機会となるでしょう。

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