三遊亭遊雀

三遊亭 遊雀 (さんゆうてい ゆうじゃく)

三遊亭遊雀は、千葉県船橋市出身の現代の落語家であり、落語芸術協会に所属しています。本名は畠山太郎で、彼の出囃子には『粟餅』が用いられています。遊雀という名跡には歴史があり、少なくとも6人の落語家がこの名前を名乗ったことがあるとされます。特に道灌遊雀と呼ばれた落語家は、非常に限られた演目しか持たない一方、その演じ方には定評があり、観客を飽きさせることがありませんでした。

経歴

遊雀の経歴は非常に興味深いです。彼は私立市川高等学校を卒業し、高校時代は陸上競技部に所属していました。中長距離走をメインに活動していた彼は、その後日本福祉大学に進学するも中退します。しかし大学時代には落語研究会に参加し、地元の老人ホームなどで落語を披露する経験を積みました。1988年の2月に、彼は三代目柳家権太楼のもとへ入門し、前座名として「さん太」を名乗りました。

1991年10月には二ツ目に昇進し、名前を「柳家三太楼」と改めました。彼は1995年に『反対俥』の演目で第5回「北とぴあ若手落語家競演会」で北とぴあ大賞を受賞し、また平成7年にはNHK新人演芸大賞の落語部門で大賞を受賞しています。2001年9月に真打に昇進し、その後の2006年には三遊亭小遊三門下に移籍し、「遊雀」に改名しました。移籍後の初高座は若手落語家として注目を集める場となりました。

受賞歴

彼のキャリアには多くの栄光があります。2006年には平成17年度彩の国落語大賞を受賞し、演目『初天神』で彼の才能が認められました。さらに、2007年と2008年には国立演芸場主催の「花形演芸大賞」でそれぞれ金賞と大賞を受賞し、人気の落語家としての地位を確立しました。

パーソナリティ

遊雀の愛称は『キュレル師匠』で、彼のユニークなキャラクターも多くのファンに愛されています。また義妹は料理研究家の稲葉ゆきえであり、家族においても多才な一面が見られます。さらに、彼は落語芸術協会主催の「芸協らくごまつり」では、毎年実行委員として場内の清掃活動に参加しており、地道な努力を続けています。

著書とメディア出演

遊雀は著書も数冊出版しており、特に『オールフライトニッポン』やその続編では共著者として知られています。また、多くのメディア出演があり、テレビやラジオプログラム、CM、映画のナレーションなどで活躍しています。近年では「春画先生」の予告編ナレーションなどでも注目を集めています。

一門弟子

彼の一門弟子には三遊亭遊かりがいます。彼の活動は今も続いており、落語芸術の発展に寄与しています。三遊亭遊雀は芸人としての独自のスタンスを持つ一方で、上手に伝統を守り、未来の落語家たちに道を示す存在としても知られています。

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