三重県護国神社

三重県護国神社の紹介

三重県護国神社（みえけんごこくじんじゃ）は、三重県津市にある歴史深い神社です。この神社は、禁門の変や戊辰戦争、さらに第二次世界大戦に関連する戦没者約6万3百余柱を祀っています。祭神の多くは靖国神社と重なる部分がありますが、護国神社は独自に招魂を行っているため、靖国神社とは別の存在として位置づけられています。

近年、護国神社は県内外からも守り神や子供の神様として信仰を集めています。社紋には桜が使用され、多くの護国神社と同様のデザインが見られます。また、「三重護国」という季刊誌も発行されており、創刊は1960年（昭和35年）10月です。創刊当初の号には、地域の著名人が寄稿し、広く認知されていることからも、地域の重要な存在であることがわかります。

各時代の歴史

明治時代の始まり

三重県護国神社の起源は1869年（明治2年）に遡ります。当時の津藩主であった藤堂高猷が、戊辰戦争で戦死した藩士を祀るために小祠を津八幡宮内に建立し、「表忠社」と名付けました。これは、当時の藩や朝廷が戦没者の霊を慰めるための施策があったためで、幕末から続く流れを汲んでいます。

1874年（明治7年）には内務省によって公式な官祭として認められ、その後1875年（明治8年）に招魂社としての名称が決定されます。1886年には西南戦争の戦没者を合祀するための祭が行われ、以後、護国神社における祭神は増え続けました。

昭和以降の発展

1939年には、社名が「三重県護国神社」と改称され、その後も全国14社の護国神社の一つとして公式に指定されました。戦争中、神社は空襲により本殿を含む多くの建物が焼失しましたが、戦後は社名が一時「三重神社」に改められました。そして1953年に元の名前に戻されました。その後、護国神社の復興に向けた請願が提出され、1960年には新たに社殿が築かれるなど、再興が進みました。

現在の祭事

年中行事も活発で、1月1日の歳旦祭から始まり、毎月1日と15日に行われる月次祭、また、春分祭や冬至祭など多彩な行事を展開しています。特に、8月15日には戦没者を顕彰する英霊感謝祭が行われ、地域の人々が戦没者の霊を弔っています。これらの行事は、地域の歴史を振り返り、戦没者への感謝の気持ちを新たにする重要な機会とされています。

文化財と狛犬

護国神社は有形文化財として刀剣を所有しています。この刀は、美濃国で生まれた刀匠によって作られたもので、歴史的な価値があります。さらに、神社の境内には独特な狛犬があり、左右が共に口を開けた阿阿の狛犬として珍しい存在となっています。

周辺環境とアクセス

護国神社は、津市の中心部に位置しており、アクセスも良好です。車では津インターから約5分、公共交通機関を利用すれば、津駅から徒歩5分となっています。周辺には公園や教育施設が整っており、多くの人々が訪れるスポットとなっています。

このように三重県護国神社は、戦没者を志し、地域に根ざした歴史的な神社として、今もなお多くの人々に愛されています。

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