三陸鉄道36-R形気動車

三陸鉄道36-R形気動車

三陸鉄道に在籍する36-R形気動車は、独特のレトロデザインと現代技術を融合させた魅力的な車両です。2005年の営業運転開始以来、地域の鉄道路線で重要な役割を果たしています。

概要

36-R形は、2004年に廃車となった36-400形の後継として、2005年2月に新潟トランシスによって36-600形の1両が製造されるところから始まりました。同型の36-300形・36-400形に続き、昭和初期を意識したデザインが施されています。その後、2006年にもう1両が追加され、計2両に増えました。これらの車両は「さんりくしおさい」という愛称で親しまれています。

2014年に、36-600形は形式を変更し36-R形に改造され、その際に自動空気ブレーキから電気指令式空気ブレーキへと進化しました。この変更により、従来の36-100形や200形とは連結できない仕様となりました。同年、紫色を基調とした新しいレトロ調の「36-R3」が製造され、南リアス線用に営業運転を開始しました。これによって36-R形は合計3両になり、36-600形は消滅しました。

用途と運行

36-R形は、団体貸切や特別列車運行のために使用されています。特に、R1とR2は新製当初から北リアス線に配置され、震災前にはJR山田線の宮古から釜石間を直通する運行実績があります。R3は南リアス線に配備される形で活用されています。

2019年には、JR山田線の経営移管後、宮古運行本部に集約され、全ての車両が合同で運用されるようになりました。その中で、R3は釜石からのリアス線開業記念列車に使用されることとなりました。また、36-Z1形や36-700形との連結運行も行われています。

車両の仕様

36-R形気動車の基本的な仕様は以下の通りです。最大長は20,500mm、最大高はそれぞれR1・R2が3,982.4mm、R3が4,042mm、最大幅は2,928mmとなっています。自重はR1・R2が33.0tで、R3は34.5tです。乗車定員はR1・R2が113人（座席48人・立席65人）、R3が111人（座席48人・立席63人）です。機関はDMF13HZ（330PS）を搭載し、最高速度は95km/hです。

内装には、木目調の壁と床が用いられ、照明にはシャンデリアや壁灯が設置されています。また、車椅子利用者への配慮としてトイレやスロープが設けられ、視覚的な情報提供としてLED表示器やドアの開閉音のチャイムも導入されています。R1・R2にはカラオケ装置とモニター、DVDプレーヤー、冷蔵庫なども備わっており、団体利用に最適です。R3には子ども向けの模擬運転台も設置されるなど、バラエティに富んだ内装が魅力となっています。

35-R形のデザインは、同時期に製造された36-Z1形に似ており、地域内外のファンに親しまれています。

もう一度検索